2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H05746
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金子 邦彦 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30177513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古澤 力 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (00372631)
若本 祐一 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (30517884)
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Project Period (FY) |
2015-05-29 – 2020-03-31
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Keywords | 生命現象の物理 / 進化 / マクロ状態論 / 1細胞計測 / ゆらぎ |
Outline of Annual Research Achievements |
課題①表現型揺らぎに基づく適応ダイナミクスの解析では、異なる細胞由来の適応集団に対するトランスクリプトーム解析により、適応を実現する発現状態が複数存在し、個々の細胞はそのいずれかの状態に至ることで適応を実現することを明らかにした。また、細胞状態のラマン解析では、ラマンスペクトルからトランスクリプトームだけでなくプロテオームも推定でき、プロテオーム分配の定量則を再現できることも明らかにした。 課題②大腸菌進化実験で同定された変異を進化実験前の親株に導入した株を60種類程度作成し、その表現型がどのような分布を持ち、その変化が少数のマクロ状態量によって記述されることを示した。さらにそうした結果を背景として、動的に変動する環境下での進化実験を行い、表現型進化の軌跡を予測・制御する手法を構築した。 課題③触媒反応系の進化シミュレーションで遅いモードの分離が生じ、表現型進化が決定論的に起きることを示し、②の進化実験結果を説明した(Sato&Kaneko, 2020)。また、スピン系統計力学モデルにおいても外場および変異に対して変化が拘束され次元削減し少数モードが形成されることを示し統計物理的定式化を行った(Sakata&Kaneko, 2020)。タンパク質の実験データからも次元縮減を求めた(Tang&Kaneko,2020)。次に、複製細胞では情報を担う分子と触媒機能を担う分子への分化が生じること、つまり分子生物学のセントラルードグマを、「対称性の自発的破れ」により導出した。(Takeuchi&Kaneko, 2019)。細胞が有用成分をもらすことでそれを使う細胞と多種共生することを理論的に明らかにした(Yamagishi et al.,2020) 課題④生命システムの階層間整合性により普遍法則が導かれるという本課題の結果を成書にまとめた(金子、「普遍生物学」東大出版会2019)。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(44 results)