2015 Fiscal Year Annual Research Report
チミジンホスホリラーゼ画像化による非アルコール性脂肪肝炎診断法の開発研究
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15H06001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
東川 桂 北海道大学, アイソトープ総合センター, 助教 (10756878)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | NASH / メチオニン・コリン欠乏食 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の研究では、チミジンホスホリラーゼ (TP) を標的とした核医学診断薬 (5-[123I]-6-(2-imino- imidazolidinyl)methyluracil hydrochloride ([123I]IIMU)) が、非アルコール性脂肪肝炎 (NASH) の病態の進行度の評価に有用であるかどうかを検証するため、NASHモデル動物の作製法の確立を行った。本研究では、C57BL/6マウスにメチオニン・コリン欠乏食を8週間与えることで、NASHモデル動物の作製を試みた。さらに、メチオニン・コリン欠乏食を与えたマウスにNASHが誘発されているかどうかを確かめるため、NASHモデルマウスおよびコントロールマウス (通常食を8週間与えたマウス) から肝臓を摘出し、RT-PCR法で炎症マーカーや線維化マーカーの発現を調べた。この結果、コントロールマウスの肝臓と比較して、NASHモデル動物の肝臓では炎症マーカーであるTumor necrosis factor-αやInterleukin-1βが高発現していることを確認した。さらに、線維化マーカーであるtransforming growth factor-β、α-Smooth muscle actin、collagen1α1、およびcollagen1α2においても、コントロールマウスの肝臓と比較して、NASHモデル動物の肝臓で発現量が増加していることを明らかにした。これらの結果から、今回作製したメチオニン・コリン欠乏食摂取マウスが、核医学診断剤を開発するためのNASHモデル動物として使用できる可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
NASHモデル動物の構築に時間がかかり、NASHモデル動物の肝臓におけるチミジンホスホリラーゼの発現の評価や、NASHモデル動物における([123/125I]IIMUの生体内分布の解析まで進められなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今回構築したNASHモデル動物 (メチオニン・コリン誘発NAHSモデルマウス) を用いて、病変部位の標的分子の発現の評価や、核医学診断剤の有用性の評価を進める予定である。
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