2015 Fiscal Year Annual Research Report
モーションキャプチャを用いたダンス学習法の開発とその評価
Project/Area Number |
15H06020
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
薄井 洋子 東北大学, 教育情報学研究部, 博士研究員 (50756046)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 舞踊教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2012年に学習指導要領が改訂され、体育教育にも大きな変更が加えられた。体育では「ダンス」が必修化となり、内容として創作ダンス・フォークダンス・現代的リズムのダンス3つがとりあげられることになった。とくに、「現代的なリズムのダンス」という名で指導の内容に加えられたこともあり、メディアが「学校で流行のダンスを指導」などと「ダンス必修化」を大きく取り上げた。しかし、踊ることが難しい現代的なリズムのダンスが加えられたことで、「ダンス必修化」が負担となっている教員も少なくない。さらに、これまでダンスは選択であったためダンスを指導した経験のない教員が多く、指導に不安を抱える教員も多い。そのため現在、指導に不安を抱える教師を支援し、生徒がダンス領域の目標に到達できるような学習法の開発が求められている状況である。そこで、筆者らが所持しているモーションキャプチャを活用し、学習者のダンスをCGアニメーション化することで、ダンス学習を支援できるのではないかと考えた.
平成27年度では、体育の授業で扱われるような場面を想定し、CGアニメーションの活用を試みた。その結果、自分の動きのCGアニメーションを見ることで、自分の感覚と実際の動きとに差があることに気がつくことができることが明らかとなった。つまり自分を客観的に見ることのできるモーションキャプチャ活用の効果により、体育のダンスの目標である、「自主的に取り組むこと」「自己の課題に応じ取り組みをする」「互いに学びあうこと」を促す可能性があることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
体育の授業で扱われるような場面を想定し、モーションキャプチャの活用を試みた。その結果、体育のダンスの目標である、「自主的に取り組むこと」「自己の課題に応じ取り組みをする」「互いに学びあうこと」を促す可能性があることが示唆された. またこの成果は、コンピュータグラフィックスの世界的な国際学会 SIGGRAPH ASIA 2015で発表した。
研究対象者の都合により、インタビュー実施日に若干の遅れが生じているが、8月までには研究対象者に対しインタビュー可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
6月までには、中学校体育の教師にアンケートを実施する。それによりダンスの指導に関し不安を感じる教員に対しインタビューを行うことで、ダンスの指導に関する問題点や要望を明らかにする。
また、ダンス教室の指導者(熟達者)に対しモーションキャプチャの協力をお願いし、動きを計測する。その計測により得られたデータをもとにCGアニメーションを作製し、ダンス指導用/練習用教材を開発する。開発する教材は熟達者に評価をいただく。
熟達者に評価をいただいた教材を、ダンスに不安をもつ教師に実際に見て評価をもらう。現代ダンスの練習/指導用教材と学習方法の開発を行う。
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Research Products
(3 results)