2015 Fiscal Year Annual Research Report
小分子化合物を用いた再生歯胚構築の為の細胞分化誘導法の開発
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15H06047
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
成瀬 正啓 東北大学, 大学病院, 医員 (00756273)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2016-03-31
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Keywords | 細胞分化 / 歯の発生 / 小分子化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯の再生は、歯科領域においては極めて重要な研究課題である。我々はiPS細胞等を用いて、歯の再生の中でも一番困難と考えられていたエナメル芽細胞の人為的な分化誘導に成功した。しかしながら、これらの手法は細胞や様々な蛋白分子を用いた手法であり、臨床に応用する為には異種由来成分不含環境での培養、分化誘導技術の開発が必要である。 そこで本研究では、エナメル芽細胞の分化に必須の分子である神経成長因子NT-4と同様の作用を示す小分子化合物を用い、エナメル芽細胞分化の為の新たな培養条件の探索や、再生歯胚構築の為の基礎知見を創出すること目的とする。歯の発生に重要な分子であるNT-4の生物作用を模倣する小分子化合物LM22A-4と、TrkB受容体シグナルの阻害剤の歯原性上皮細胞に対する作用を検討した。歯原性上皮細胞株に、LM22A-4を刺激し、遺伝子発現変化を指標とし、エナメル芽細胞分化誘導能を検討した結果、エナメル芽細胞分化マーカー遺伝子の発現亢進を確認した。次に、生体に近い条件でのエナメル芽細胞分化能を評価する為、マウス胎仔の歯胚を用いた器官培養系を利用した。同小分子化合物を器官培養液に添加すると、歯胚においてもエナメル芽細胞分化マーカー遺伝子の発現が亢進した。以上の結果より、我々が用いた小分子化合物は歯原性細胞に対してエナメル芽細胞分化誘導能を有することが明らかとなった。さらに小分子化合物がエナメル芽細胞分化を誘導する分子機構を解明する為、シグナル活性化の探索を行ったところ、ERK1/2の活性化を引き起こした。 今後、本小分子化合物の詳細な分子機構を解明し、歯の再生の基盤研究として発展させていきたい。唾液腺などの腺組織、毛根や腎臓など上皮―間葉相互作用で発生が展開される臓器の再生研究に対しても、波及的に有益な情報を発信することが可能になると考えられる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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