2016 Fiscal Year Annual Research Report
Biomedical engineering evaluation of Ti-Mo-Sn-Zr alloy for medical use
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15H06049
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
布目 祥子 東北大学, 歯学研究科, 助教 (60758184)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 生体材料 / 金属材料 / 形状記憶合金 / 生体適合性 / ニッケルフリー |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、医療用材料として広く普及しているニッケルチタンは、超弾性および形状記憶という特性がある一方で、ニッケルを含有することに起因するアレルギー性・発癌性、またフッ化物環境下にて耐食性が劣るという易腐食性という欠点があり、問題視されている。そこで、本研究ではまずニッケルフリーであり、超弾性という特性をもつTi-Mo-Sn-Zr合金(以下、TMSZ合金)を東京工業大学の細田秀樹教授のもとで開発した。TMSZ合金は本組成において世界で初めて超弾性を示すことに成功した。第一段階としては、TMSZ合金の細胞適合性を評価するため細胞増殖・細胞毒性・細胞代謝活性・細胞周期といったin vitroの一連の実験を行い、比較検討した。この研究成果については学術誌にて既に公表している(Nunome et al. J of Biomat Appl. 2015)。 現在はこれに引き続き、材料特性評価に取り組み、その一つの耐食性評価について進めていた。評価項目としてはアノード分極試験を人口唾液およびフッ化物含有環境下(人口唾液および225pm,900ppmフッ化物洗口液を使用)の条件下にて実施し、ニッケルチタン合金と比較した。その結果、TMSZ合金はニッケルチタンと同等もしくはそれ以上の耐食性をもつことを実験結果より得られた。また、走査型電子顕微鏡(SEM)・X線光電分光法(XPS)・X線回折法(XRD)を用いて試料表面分析や構造を分析・評価した。結果としては、腐食試験前後にて、試料金属表面に腐食状態を示すような孔食像が認められないことを確認した。ニッケルチタンとの比較を行うことで、医療用材料として代替しうる材料になることを示唆することを目的としている。得られる成果は、材料特性を活用した全く新しい概念の治療機器や治療方法の開発につながる可能性もあり、その臨床的意義は極めて大きいと考えられる。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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