2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15H06063
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
米山 一樹 茨城大学, 工学部, 准教授 (50759579)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | フェイルセーフ性 / 秘密情報漏洩 / 暗号プロトコル |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画にそって、具体的なフェイルセーフ暗号プロトコルの設計を行った。まず、インシデントを分類し、秘密情報の漏洩とハッシュ関数の脆弱性に注目した。次に、設計対象のプロトコルとして、認証鍵交換、公開鍵暗号、グループ署名などに対して、フェイルセーフ性をもたせる意義があることを考察した。 選定したプロトコルについて、フェイルセーフ性を持つような方式の設計を行った。擬似ランダム関数を利用して乱数を秘密鍵と混ぜ合わせる手法やハッシュ関数の理想的な性質の一部だけを使って暗号文長を短くする手法などを利用し、秘密情報漏洩時でも安全な認証鍵交換、署名生成時の乱数漏洩時でも安全なグループ署名、脆弱性を持つハッシュ関数を用いても暗号文長を短くできる公開鍵暗号などを設計した。 さらに、フェイルセーフ性の安全性検証の準備として、形式検証による安全性自動証明についての研究も行った。インターネットブラウザなどで実際に使用されているセキュリティプロトコルであるTLSやQUICの安全性を形式検証を用いて検証し、TLSに対しては既知の攻撃が自動検証ツールで検出できること、QUICに対しては安全性の定義の不備を発見することに成功した。これらの形式検証に関する知見を利用することで、今後の研究においてフェイルセーフ性の安全性検証を円滑に行うことができると期待できる。 本研究で得られた成果について、国内研究会4件、学術論文誌1件で体外発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたいくつかのフェイルセーフ暗号プロトコルの設計を行い、また安全性検証に向けて知見を深めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は設計したフェイルセーフ暗号プロトコルの安全性の数学的定式化と安全性手法を簡単化する手法の提案を引き続き行う。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] スケーラブルな動的多者鍵配布プロトコル2016
Author(s)
小林 鉄太郎, 米山 一樹, 吉田 麗生, 川原 祐人, 冨士 仁, 山本 具英
Organizer
暗号と情報セキュリティシンポジウム
Place of Presentation
ANAクラウンプラザホテル(熊本県熊本市)
Year and Date
2016-01-19 – 2016-01-22
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