2015 Fiscal Year Annual Research Report
刑事施設における薬物事犯者の反社会性に応じた薬物依存離脱指導法の開発と検討
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15H06091
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
野村 和孝 千葉大学, 社会精神保健教育研究センター, 特任研究員 (60758192)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 薬物依存 / 反社会性 / 依存性 / 刑事施設 / 薬物再使用リスク / 薬物依存離脱指導 / 心理学的介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
刑務所における薬物依存離脱指導は、違法薬物の使用を「精神疾患としての薬物依存症の問題」として捉える治療的介入が採用されている。一方で、「自身の欲求を満足する手段として犯罪行動を選択する反社会的な生活」を背景に違法薬物の使用をする者も少なくないため、従来の治療的介入のみでは再使用防止につながりにくい者が想定される。そのため、「薬物への依存性」に加え「反社会性」を踏まえた薬物依存離脱指導の確立が急務である。 そこで、本研究では、大学の研究機関と刑事施設との協力において刑務所の被収容者を対象に質問紙調査と心理学的介入を実施し、「薬物への依存性」と「反社会性」の個人差の査定に応じた心理学的介入技法の選択の重要性を実証することを目的としている。 平成27年度は、研究機関と刑事施設双方の研究実施体制の調整、および「薬物への依存性」と「反社会性」の個人差の査定に関する質問紙調査を実施し、刑事施設被収容者1000名程度の回答協力を得ている。質問紙調査の結果については、平成28年度に開催予定である第12回司法精神医学会大会にて口頭発表を予定しており、得られた結果に基づき平成28年度の取り組みとして心理学的介入の実施と効果検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の進捗として、平成27年度に予定していた「1)研究の打ち合わせ」、「2)千葉大学倫理審査(調査研究)」、「3)調査研究の実施」が終了している。なお、平成27年度に予定していた「4)介入手続きの精査」、「5)千葉大学の倫理審査」、「6)心理学的介入研究の実施」については、刑事施設の運用上の都合により「6)心理学的介入研究の実施」が平成28年度の実施となったため平成28年度中の実施にあわせて「4)介入手続きの精査」、「5)千葉大学の倫理審査」の手続きを進めている。 以上のことから、平成27年度に「6)心理学的介入研究の実施」までの実施を予定していた進行とは異なる状況にある一方で、本研究課題のメインデータの1つとなる調査研究が予定通り実施されたこと、また「6)心理学的介入研究の実施」の開始時期が平成28年度となったものの刑事施設との調整は順調に進んでいることなどから、本研究課題を十分に達成可能な状況にあると考えられる。 したがって、現在までの進捗状況は2か年計画である本研究課題としておおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策については、平成27年度に予定していた「4)介入手続きの精査」、「5)千葉大学の倫理審査」、および「6)心理学的介入研究の実施」を引き続き進める予定である。なお、当初、平成28年度に予定していた「1)研究継続の打ち合わせ」と「2)心理学的介入研究の実施の継続」は、平成27年度の「6)心理学的介入研究の実施」の継続を意図する進行であり本研究課題の推進の変更を必要としないため、平成28年度はおおむね予定通りの推進であると考えられる。 また、平成28年度に予定している「3)研究のまとめ」として、平成27年度に実施済みである「3)調査研究の実施」を中心に、学会発表、および論文などの執筆を通して社会に広く公開し、また、刑事施設職員への提案として研修と講義などを通して実務家への浸透を試みる。なお、「6)心理学的介入研究の実施」を行う中で得られるデータについては、適宜とりまとめを行い「3)研究のまとめ」に反映することを予定している。
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Research Products
(3 results)