2016 Fiscal Year Annual Research Report
Fabrication of magnetic clusters on molecules and evaluation of their magnetic state
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15H06092
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平岡 奈緒香 (太田奈緒香) 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (40758827)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 強相関系 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、セルフデカップリング型の人工的な磁性ナノ構造を作製し、その磁気状態を解明することを目的とする。研究実施計画では磁性クラスタの分光測定を試みる予定であった。 前年度(繰り越し分)の結果を受けて、SrIr1-xSnxO3 薄膜に対象を再設定し、その性質を詳しく調べた。また、ペロブスカイト構造のAサイトをSrからCaに変更したCaIr1-xSnxO3薄膜の電気輸送特性も調べた。SrIr1-xSnxO3では、基板面内に磁場を印加したとき、常磁性半金属-弱強磁性絶縁体の転移温度以下で、縦磁気抵抗、横磁気抵抗にともにヒステリシスが見られた。基板面直方向に磁場を印加したときの横磁気抵抗にはヒステリシスは現れなかった。弱強磁性磁化の方向が基板面内方向であるため、磁化とカップルした電気伝導が観測されていると結論した。磁気抵抗のヒステリシスから、保持力はx=0.2 の場合40 K以下で 90 kOe 以上と大きい値を示すことが見いだされた。 CaIr1-xSnxO3 薄膜も、SrIr1-xSnxO3 と同様にx=0のときは常磁性半金属的である。CaIr1-xSnxO3ではSn 置換による絶縁体化が、SrIr1-xSnxO3よりも小さい x で起こることが明らかになった。x=0.1 のとき、SrIr1-xSnxO3は低温まで半金属であるが、SrIr1-xSnxO3は室温で既に絶縁体的な電気伝導度を示した。CaとSrの原子半径の差によって、CaIr1-xSnxO3でペロブスカイト構造の歪がより大きいために、Ir原子間のホッピング項が小さくなり、金属相と絶縁相の競合に影響を与えたと考えられる。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)