2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H06103
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
佐々木 博昭 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (80756916)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 機械学習 / 確率密度微分 / 次元削減 / クラスタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,確率密度関数の微分を推定する手法を提案し,提案手法を統計的データ解析問題へ応用することを目的に研究を行っている. 平成27年度は,条件付き確率密度関数の対数微分を推定する手法を提案し,その提案手法を用いて,教師付き次元削減法を構築した.提案した微分推定法は,解析的に微分を推定でき,モデル選択法も含まれているなどの利点をもつ.そして,構築した教師付き次元削減法は,固有値分解を用いて,教師有り学習に有用な部分空間を推定することができる.数値実験によって,既存の手法と比較して,構築した次元削減法は,教師有り学習問題において,有用な部分空間を高速かつ精度良く推定することを示した. その他に,確率密度関数の対数微分を推定する既存手法を用いて,非ガウス成分分析というの枠組みに属する教師無し次元削減法を提案した.この次元削減手法では,クラスターなどの特徴を残しつつ,入力データの次元を削減できるなどの利点をもつ.提案手法について,理論解析を行い,提案手法が良い収束レートで部分空間を推定することができることを示した.また,数値実験によって,この提案手法が,非ガウス成分分析の既存の手法と比較して,精度良く部分空間を推定できることも確認した. 上記に加え,既存の確率密度関数の微分推定法に対してマルチタスク学習を適用することで拡張し,入力の標本数が少ない場合などに,推定が改善されることを確認した.他にも,リーマン多様体上のデータ点を扱うために,過去に提案していたクラスタリング法を拡張する研究を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目的は,確率密度関数の微分推定法の提案とその次元削減問題への応用であった.実際,次元削減法を構築し,その研究成果はまとめられ,採択率の低い(30%程度)の国際会議でも採択されたことから,上記の評価区分となった.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では,平成27年度に構築した教師付き次元削減法の内容をさらに発展させるつもりである.予定では,提案した条件付き確率密度関数の対数微分を推定する手法と教師付き次元削減法について理論的な解析を加える.また,さらなる数値実験を実行し,より詳細に提案手法を調査する予定である. これまで取り組んでいない確率密度関数の微分推定に関連した統計的データ解析問題は他にも存在する.今後は,それら問題に対して,これまでの微分推定法を応用もしくは新たに微分推定法を提案することで,データ解析手法を構築する予定である.研究結果がまとまり次第,積極的に国際会議等で発表を行うつもりである.
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Research Products
(7 results)