2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H06116
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高木 丈也 東京大学, 人文社会系研究科, 研究員 (80759605)
|
Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
|
Keywords | 社会言語学 / 朝鮮語学 / 中国朝鮮語 / 談話分析 / 方言学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成 27 年度は、朝鮮語延辺方言を分析するに際して前提となる理論的枠組みの構築から、談話の採録調査、文字化、タグ付けまでを行なった。具体的な内容は以下のとおりである: (1)理論的枠組みの構築(平成 27 年 10 月~平成 28 年1月):まずは、延辺方言、談話分析に関する関連論考(辞書類を含む)を可能な限り広範囲に入手し、 発話形式(文末形式と待遇法体系の関係も含む) 、機能に関する理論的枠組みを構築した。 (2)談話採録調査の準備(平成 28 年1・2月):理論的枠組みの構築と並行して、平成 28 年1月に行なう談話採録調査の準備を進めた。 (3)談話採録調査の実施(平成 28 年3月);中国吉林省延吉市において談話採録調査を実施した。調査にあたっては、話者の属性(年代、性別)や、対話者との親疎関係という社会言語学的要因を考慮した18の2者 間談話を設定した。採録は自由談話により30分行ない、談話採録後には、すべての話者にフォローアップ調査を実施した。 (4)談話資料の文字化、タグ付け(平成 28 年3月):延辺方言話者による談話音声資料の文字化をした。文字化資料は、 Excel 形式により作成し、 文字化の範囲は20分とした。文字化資料が完成した後には、表記の一貫性、音 声と文字の一致といった観点から再確認し、問題がある箇所があれば、延辺方言話者に随時、確認を行なった。3月末時点で、発話形式(終止形語尾)によるタグ付けが一部、終了しており、この続きは平成28年度に引き続き、行なうつもりでいる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論的枠組みの構築、および調査は、当初の予定通り進んでいるため(談話文字化資料のタグ付けが一部、残っているが、平成28年度当初には完了予定である)。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、昨年度に採録した朝鮮語延辺方言の音声資料、および文字化資料の分析を行なう。一連の分析を通じて、話者(対話者)の社会言語学的要因の相違が発話形式生成に与える影響を解明する。
|
Research Products
(1 results)