2016 Fiscal Year Annual Research Report
Research in the developmental process of the regional domination by the Muromachi Bakufu and its transformation
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15H06118
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀川 康史 東京大学, 史料編纂所, 助教 (80760280)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 室町幕府 / 九州探題 / 今川了俊 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)九州地方を対象に、室町幕府と「遠国」地域の関係について研究を行った。ここでは将軍足利義満による有力大名弾圧の一環と理解されてきた今川了俊の解任事件(応永2年、1395)について、年未詳史料の年代比定による政治過程の復元という手法を用いて再検討を行った。その結果、義満の主導性を強調する先行研究の理解を斥け、解任事件のきっかけが了俊の九州経営の崩壊に求められることを明らかにするとともに、解任事件を室町幕府の「遠国融和策」の起点に位置づけなおした。上記の成果は、「今川了俊の探題解任と九州情勢」と題する論考にまとめ、『史学雑誌』125編12号(2016年12月)に掲載された。
2)上記の研究と並行して、今川了俊関係史料の研究を行い、「京都召還後の今川了俊 ―遠江半国守護関係史料の再検討―」・「応永初年の大友氏内訌に関する一史料」と題する論考を執筆した。いずれも今川了俊関係史料の年代比定を再検討したもので、前者では、解任前後のものとされてきた遠江半国守護関係史料の年代比定を見直し、応永の乱における今川了俊の動向を示す史料とする仮説を提示した。後者では、渋川満頼探題期(1396~)のものとされていた史料について、解任事件に関する史料であることを明らかにするとともに、解任事件の直接のきっかけとなった「応永初年の大友氏内訌」の政治過程と足利義満の関与のあり方について再論した。前者は『日本歴史』に掲載が決定しており、後者は査読付き雑誌に投稿し、現在審査中である。
3)前年度に研究を進めた室町幕府支配体制の変質に関しては、引き続き論文化に取り組んでいる。また、本研究課題に関連するものとして、史学会の依頼を受け、『史学雑誌』125編5号(2016年5月)に掲載された「2015年の歴史学界 ―回顧と展望―」の「日本中世」のうち、「南北朝期・室町期」の項目を執筆した。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)