2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the empirical model explaining factors and functions of people's free will beliefs
Project/Area Number |
15H06124
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
渡辺 匠 北海道教育大学, その他部局等, 特任講師 (80759514)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 自由意志信念 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、次の2つであった。第1に、本研究は「人々の自由意志概念がどのような要素から構成されているか」を明らかにすることを目的としていた。第2に、本研究は「人々の自由意志に対する信念がわれわれの社会生活でどのような機能を果たしているか」を検証することを目的としていた。 平成28年度はまず第1の目的について、人々の自由意志概念が他行為可能性と行為者性、制約からの自由の3つの要素から構成されることを確かめた。ここで、他行為可能性は「複数の行為が可能であること」、行為者性は「自分の心理状態が行為を引き起こすこと」、制約からの自由は「内的要因もしくは外的要因に拘束されずに行為すること」をそれぞれ意味している。本研究はすでに前年度において、人々の自由意志概念が上述の3つの要素から構成されることを学生サンプルにより示しているが、平成28年度はこれらの結果を一般サンプルをもちいて再現することに成功している。つまり、学生か一般成人かにかかわらず、人々にとって自由意志とは「何ものにも拘束されず、自分の心理状態にそって行為を選択すること」を意味すると考えられよう。 さらに、平成28年度は本研究の第2の目的である自由意志信念の社会的な機能についても検証をおこなった。その結果、他行為可能性や行為者性、制約からの自由を強く信じる人ほど、自分や他者に道徳的な責任を付与したり、自分の衝動的な反応をコントロールできることが示された。このことは、自由意志信念によって責任帰属や自己コントロールが促進されることを示唆している。以上の知見にもとづき、本研究は自由意志概念の構成要素や社会生活における機能を説明する統合的なモデルを構築することができたと考えられる。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)