2016 Fiscal Year Annual Research Report
Proactive utilization of aqueous environments to explore organic reactions
Project/Area Number |
15H06134
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北之園 拓 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任助教 (50755981)
|
Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
|
Keywords | 水中特異的 / 不斉反応 / ミセル / 環境調和 / 人工触媒 / 酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
ソフトな酸であるPd2+は低電荷、大きな原子半径を有しており、ホスフィン配位子のようにソフトな塩基が安定化には必須である。しかしながら、一般的なホスフィン配位子の水への溶解度の低さ、酸化されやすさなど、水中での反応場構築は容易ではない。そこで界面活性剤によって形成される電気二重層を利用したカチオン性パラジウムの安定化を摸索し、パラジウムによるCーH結合官能基化とこれまでの研究で得られた水中特異的な不斉制御に関する知見との組み合わせの結果、水中特異的な不斉反応の開発に繋げた。メタノール中で僅かに反応が進行するものの立体選択性は殆ど得られず、水中でのみ高収率及び高選択性が発現した。また、細胞環境と触媒化学との融合を目指すべく、ビオチン標識化したイリジウム錯体をストレプトアビジンでコーティングした触媒と組み合わせることで天然には存在しない人工的チモーゲンを創成する事を目指し、タンパク質加水分解に誘起されるイミンに対する不斉水素移動反応を実現することに成功した。本反応が基盤とするストレプトアビジン組み込み型触媒は化学的、遺伝的両面からの最適化が可能であるという特徴も有しており、変異導入とトリペプチドのスクリーニングによって最高で81% eeの選択性を得ることができた。本研究課題にて得られた成果は、“水”を溶媒として積極的に活用することによって有機化学の新境地が切り拓かれる可能性を社会に提示するに足るものである。
|
Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(11 results)