2016 Fiscal Year Annual Research Report
Male dimorphism in squid and the effect on population
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15H06150
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩田 容子 東京大学, 大気海洋研究所, 講師 (60431342)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 海洋生態 / 海洋資源 / 水産学 |
Outline of Annual Research Achievements |
個体の成長・成熟において海洋環境は強く影響する。環境変動が成熟サイズや生殖腺重量などの生活史パラメターに質的に影響することによって、個体群動態という量的変動につながる可能性が考えられる。そこで、本課題では、沿岸性水産重要種であり、大型ペア雄・小型スニーカー雄という雄に二型がみられるヤリイカ類を用いて、海洋環境変動が繁殖特性にどのように影響しているかを検討した。 2005-2008年、2014-2017年の繁殖期間1-4月に各月採集・生物測定を行った。このデータを用い、年や季節によって繁殖特性がどのように異なるかを解析した。その結果、雄の成熟サイズ組成は年や季節により変動し、繁殖期初期には大型ペア雄が、繁殖期後期には小型スニーカー雄の割合が多いことが明らかとなった。一方雌の成熟サイズ組成は、年や季節によらずほぼ一定であることが明らかとなった。雄は成熟サイズ二型を持ち、成長条件に応じて繁殖戦術を切り替えるという特徴をもつことから、環境条件に対する応答が雌に比べより敏感で、成熟サイズの変動が大きく現れると考えられた。 また、各雄の繁殖戦術の決定には、環境要因が影響しているかを一般化線型モデルにより検討した結果、個体の体サイズに加え、年の効果も検出された。つまり、大型ペア雄になるか小型スニーカー雄になるか切り替わる閾値が、環境条件によって変動する可能性が示された。また雌においては、大型個体ほど生殖腺重量が大きく高い繁殖力を持つが、生殖腺重量は年や季節によっても異なることが示された。つまり、海洋環境変動は、雌の成熟サイズ組成を大きく変化させないにもかかわらず、産卵数を通じて個体群変動に影響する可能性が示された。また、このような生殖腺重量変化の影響の強さを調べるため、体サイズ・生殖腺重量と孕卵数との関係を明らかにした。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)