2015 Fiscal Year Annual Research Report
生体内分子イメージングに有用なケイ素架橋型セレンテラジン類の創製
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15H06180
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
西山 義剛 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (90755357)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | セレンテラジン / ピラジン / 根岸クロスカップリング反応 / 鈴木-宮浦クロスカップリング反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
セレンテラジン類を基質として用いる生物発光はイメージング技術として注目を集めており、さまざまなセレンテラジン類縁体を効率的に合成する手法が求められている。セレンテラジンはピラジン環を中心骨格として有しているため、ピラジン環上に置換基を自在に導入する手法を開発できれば、多彩なセレンテラジン類縁体を合成できると考えられる。今回、種々の検討の結果、2-アミノ-3,5-ジブロモ-6-クロロピラジンの有する3つのハロゲノ基を順次、選択的に炭素置換基へと交換し、さまざまな置換基を有するピラジン類を合成する手法を開発できた。 具体的には、まず、2つのブロモ基を区別して根岸クロスカップリング反応を行う条件を検討した。過去の知見でベンジル基を選択的に導入できることがわかっていたが、アリール基の導入を試みたところ、選択性の低下や原料の残存が見られた。そこで、触媒や配位子を検討することによって、アリール基においても一方のブロモ基のみ選択的に、かつ効率的に導入できる条件を見いだした。 つづいて、残存したブロモ基とクロロ基に対する鈴木-宮浦クロスカップリング反応は、反応温度を調整することによって選択性良く進行し、さまざまな基質に対して行えることを確認した。とくに、ケイ素原子などによる架橋構造を後に構築する際に必要であると考えられるエステル、ハロゲン、アルデヒドなどの官能基を有する置換基も導入できることを見いだした。 以上のように、アミノ基と3つの炭素置換基を有するピラジン類の効率的合成法を見いだすことができ、さまざまなセレンテラジン類縁体を簡便に合成するための手法を確立できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
困難な課題であると考えられた、ピラジン環上の置換基の選択的な導入を実現することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
ピラジン環上に導入可能な置換基をさらに探索し、より多様なセレンテラジン類縁体を合成できることを示す。また、長波長側での発光を目指し、ケイ素原子などによる架橋を試みる。さらに、生体内環境への応答性を付与すべく、多彩な官能基の導入を検討する。
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Research Products
(2 results)