2015 Fiscal Year Annual Research Report
足場との静電気的結合による線維芽細胞増殖因子-2の徐放化を利用した歯周組織再生
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15H06190
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
星 嵩 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (70757210)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 歯学 / 歯周病 / 再生 / 細胞増殖因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の研究室ではβ-TCP・ゼラチン複合体をリコンビナントヒト線維芽細胞増殖因子-2(rhFGF-2)と併用することにより歯槽骨再生、歯周組織再生を報告してきた。更なる追加実験として、根面露出に対し上記材料を使用した根面被覆術の有効性を大型動物実験で評価した。結果として、実験群において有意に大きな新生骨形成及びセメント質形成を認め、審美治療における有効性が示唆された。これらの結果を、第1回日本骨免疫学会および第37回日本バイオマテリアル学会にて報告し、現在論文を執筆中である。これら一連の報告は、rhFGF-2の徐放化システムが今後のヒトを対象とした歯周組織再生、歯槽骨再生、根面被覆術において有効となる可能性を示唆しており、重要な意義を持つと考えられる。 さらに、歯周組織再生において、足場の等電点を変化させることによりrhFGF-2の効果が変化するかを明らかにするため、酸性ゼラチンあるいは塩基性ゼラチンから構成されるβ-TCP・ゼラチン複合体を作製した。大型実験動物に歯槽骨欠損を作成し、rhFGF-2と併用する足場として等電点の異なるβ-TCP・ゼラチン複合体を使用し実験を行った。現在、組織切片作製を行っており、今後歯槽骨再生量を評価し、学会報告していく予定である。 またrhFGF-2の足場としてβ-TCP・ゼラチン複合体とβ-TCP顆粒との比較検討を行った。大型実験動物にて歯周組織欠損を作成し、それぞれの材料を補填した。組織切片を作成し、新生組織の評価を行った。β-TCP・ゼラチン複合体とβ-TCP顆粒において差は認められなかったため、新規材料の有効性を示すことはできなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H27年度は足場の等電点を変化させることによりrhFGF-2の効果が変化するかを明らかにすることを目的としていたが、大型実験動物を一度に飼育できる頭数に限度があり、秋季からのスタートとなってしまった。そのため組織切片作成が間に合わず、H27年度中でのデータ解析が間に合わなかった。 β-TCP・ゼラチン複合体内に歯根膜細胞、骨芽細胞、線維芽細胞を播種し、rhFGF-2を添加し細胞培養を行うことを目的としたが、スキャフォールド内での同一環境下での三次元培養が現在の設備では困難であり、比較検討し得るデータが得られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
ゼラチンの等電点を利用したrhFGF-2の徐放化の有効性は現在解析中であり、H28年度の学会発表を目指していく。 本研究では、rhFGF-2の足場としてのβ-TCP・ゼラチン複合体とβ-TCP顆粒との比較検討において、差は認められず、既存材料に比べたときの新規材料の有効性は示せなかった。rhFGF-2は新規材料であり、未だにどの足場が有効であるのかといったデータは乏しい。そのため、研究計画を一部変更し、rhFGF-2の足場として、異種骨、人工骨を使用した大型動物での実験を行いデータを採取していく予定である。
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Research Products
(2 results)