2015 Fiscal Year Annual Research Report
統治メカニズムとしての株主の機能とその歴史的変化:日本企業の株主総会の実証分析
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15H06215
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
内田 大輔 一橋大学, 大学院商学研究科, 特任講師(ジュニアフェロー) (10754806)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | コーポレート・ガバナンス / 株主総会 / 日本企業 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度においては,(1)大規模データセットの構築,(2)先行研究の文献サーベイに基づく研究課題の導出と作業仮説の構築・深化,(3)(1)および(2)を踏まえたうえでの統計的実証分析,を中心に作業を進めた. 第一に,平成27年度においては,大規模データセットを構築した.具体的には,1984年から2014年における東証1部2部上場会社3500社に関する,(a)株主総会に関するデータ(例えば,各企業の株主総会の開催日・出席者数・所要時間・質問者数),(b)株主に関するデータ,(c)財務・業種・上場に関するデータ,(d)株主総会に関する新聞・雑誌等の定性データ,を収集した. 第二に,先行研究の文献サーベイを行い,研究課題の導出と仮説の構築・深化を行った.具体的には,本研究において先行研究として念頭に置いている,(a)コーポレート・ガバナンスにおいて株主が担う役割に注目した一連の研究,(b)株主による経営者への働きかけに注目する研究,(c)制度や慣行の変革について検討した一連の研究,(d)日本企業におけるコーポレート・ガバナンスの歴史的変遷に注目した一連の研究,を網羅的にサーベイした. 第三に,(1)および(2)を踏まえたうえで,統計分析を行った.統計分析では,様々な知見が既に得られており,その一部は,専門学術雑誌において公刊されることが既に決まっている.具体的には,日本の経営学領域において最も影響力のある専門学術雑誌の一つである『組織科学』に掲載予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度では,当初の計画通り,(1)大規模データセットの構築,(2)先行研究の文献サーベイに基づく研究課題の導出と作業仮説の構築・深化,を一通り完了させることができた.もちろん,今後の研究の展開次第で必要であると判断すれば,追加的にこれらの作業を行っていく予定である.加えて,(3)(1)および(2)を踏まえたうえでの統計的実証分析も順調に進んでおり,その成果の一部は,日本の経営学領域において最も影響力のある専門学術雑誌の一つである『組織科学』における公刊が決まっている.以上の理由より,本研究課題はおおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度においては,主に,平成27年度に構築したデータセットおよび文献サーベイに基づいて,統計分析を行い,得られた知見を論文としてまとめることに注力する.国内外の学会において研究発表を行い,そこでのフィードバックを踏まえて,日本語および英語での専門学術雑誌へ投稿する予定である.学会発表に関しては,Academy of ManagementやStrategic Management Societyといった海外主要学会,組織学会や日本経営学会といった国内主要学会への発表の応募を計画している.また,論文公刊に関しては,Academy of Management Journal,Strategic Management Journal,Journal of Management Studies,Corporate Governance: An International Reviewといった主要な海外専門学術雑誌に加え,日本経営学会誌といった国内専門学術雑誌への投稿も目指す.
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Research Products
(1 results)