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2015 Fiscal Year Annual Research Report

希少細胞の磁気分離に向けた機能性微粒子の開発

Research Project

Project/Area Number 15H06260
Research InstitutionNagoya Institute of Technology

Principal Investigator

渕上 輝顕  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20756704)

Project Period (FY) 2015-08-28 – 2017-03-31
Keywords磁気細胞分離 / 温度応答性磁性粒子 / ナノ複合構造 / 有機無機ハイブリッド / 細胞回収率 / 機能性ナノ粒子 / がん診断 / 血中循環腫瘍細胞
Outline of Annual Research Achievements

本研究では全血試料から95%以上の効率で血中循環腫瘍細胞を回収できる磁気細胞分離プロセスの開発を目指している。磁性体であるフェライトナノ粒子と温度応答性高分子から磁性集積体を作製し、その表面に生体分子の認識が可能なタンパク質(ストレプトアビジン)を吸着させることで温度により細胞との吸着・脱離が制御可能な機能性磁性粒子を作製した。集積体表面にストレプトアビジンを修飾する際に、温度を4℃から37℃まで変えたところ、高温にするほどストレプトアビジンの結合量が増大することがわかった。集積体表面のストレプトアビジン結合量を増大させることで、磁気細胞回収率は25%程度から最大で60%まで増加した。この結果から、生体分子を認識するタンパク質の結合量が細胞回収率の向上に強く関係していることがわかった。また、細胞を磁性集積体で標識する際に、添加する磁性集積体量を10マイクロgから40マイクロgまで調整したところ、20マイクロgの時に細胞回収率が極大を示すことがわかった。集積体表面に高密度で温度応答性高分子を修飾するために、アモルファスシリカから成るシェルを磁性粒子集積体に形成させた。この時、それぞれの粒子の磁気特性(体積当たりの磁気モーメント量)を均一にするために、サイズの揃った鋳型粒子表面に酸化鉄ナノ粒子を均一に集積させる手法を検討した。結果として、300 nm程度の粒子径を持つシリカ粒子表面に酸化鉄ナノ粒子が均一に集積した担持粒子を作製し、さらにその担持粒子表面にゾルゲル法を用いてシリカシェルを形成させ、シリカ-酸化鉄ナノ粒子-シリカ三層構造を得た。得られたコアシェル粒子表面とモノマーからサイズの揃った温度応答性磁性粒子の作製を検討している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

生体分子認識性タンパク質の結合量を変えた実験から、タンパク質の結合量が細胞回収率の向上に強く関係していることを明らかにし、粒子表面にタンパク質を高密度で結合させる重要性を改めて示した。95%以上の回収率には至らなかったが、最大で60%と高い細胞回収率が得られている。また、細胞を磁気標識する際に添加する磁性粒子の添加量によって、細胞回収率が変化し、ある値で極大を示すことを明らかにした。これは、今後の磁気細胞分離実験をする際に極めて重要な知見となった。当初予定していたタンパク質の高密度集積には至らなかったが、その前段階であるコアシェル粒子の作製においては、新規プロセスを検討し、シリカと酸化鉄ナノ粒子から成る均一な三層構造を得ている。

Strategy for Future Research Activity

フェライトナノ粒子と温度応答性高分子から成る集積体においても、表面のタンパク質量を調整することで60%と高い細胞回収率が得られたが、さらに高い細胞回収率を得るためには構造の見直しが必要である。細胞回収率に最も影響する要因を今回の実験結果から生体分子を認識するタンパク質の結合量だと考え、モノマー重合による高分子合成を試みる。既にシリカと酸化鉄ナノ粒子から成るコアシェル粒子を得ているが、コアシェル粒子表面での均一なモノマー重合は成功していない。粒子の分散性を維持しつつモノマー重合を行うには濃度の調整や反応速度の制御が必要であるが、専門的な知識と経験が必要である。そこで、高分子化学を専門とする教員に助言を求め、共同で実験を進めることでモノマー重合を行うこととした。次年度は細胞分離にさらに適したナノ構造体を作製し、95%以上の細胞回収率を得るために、高分子重合度や末端の構造について検討を行う。

  • Research Products

    (3 results)

All 2016 2015 Other

All Presentation (2 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] 免疫磁気細胞分離に向けた温度応答性酸化鉄ナノ粒子集積体の作製2016

    • Author(s)
      渕上輝顕、柿本健一
    • Organizer
      公益社団法人日本セラミックス協会 2016年年会
    • Place of Presentation
      早稲田大学西早稲田キャンパス
    • Year and Date
      2016-03-14 – 2016-03-16
  • [Presentation] 温度応答性酸化鉄ナノ粒子を用いた血中循環腫瘍細胞の磁気分離2015

    • Author(s)
      渕上輝顕、柿本健一
    • Organizer
      公益社団法人日本セラミックス協会 東海支部 支部大会
    • Place of Presentation
      名古屋大学 名古屋市千種区不老町
    • Year and Date
      2015-12-12
  • [Remarks] 教員受賞者情報

    • URL

      http://www.nitech.ac.jp/honor/2015/post-26.html

URL: 

Published: 2017-01-06  

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