2015 Fiscal Year Annual Research Report
変形の効果を取り入れた粒子の分散系における流動特性
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15H06263
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川崎 猛史 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (10760978)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2016-03-31
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Keywords | ソフトマター物理 / レオロジー / ガラス転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度(初年度)は,研究課題である変形可能な粒子(超粒子)のモデル構築を行った.ここでは,短距離斥力ポテンシャルをもつ質点粒子を並べて超粒子の表面を構成し,さらに超粒子の重心にも質点粒子を置き,これと表面粒子とをバネポテンシャルで結合させることにより,内圧を有する変形可能な超粒子モデルを構築した.この様に内圧を導入することにより,超粒子のバックリングを阻止することが可能となった.さらに,重心からのバネポテンシャルの結合強度を変化させることにより,粒子の柔らかさを制御することに成功した.また,これら超粒子分散系の大規模計算を実行すべく,LAMMPSを用いて上記のモデルを構築し,大規模計算を行う環境を整えた. 本課題は2年計画であったが,より発展的な継続研究の採択に伴い,これに切り替える.その為,本課題は初年度にて終了となる.採択から半年という短い期間ゆえに,研究計画の全てを実行することができなかったが,計画していた新しいモデルの構築と,その妥当性に時間を割くことができた.本モデルの構築は,従来の研究でほとんど扱われてこなかった粒子の大変形効果を比較的小さな計算機コストで実現することができる点に意義がある.また,従来の質点モデルでは扱うことの出来なかった,やわらかい粒子から構成されるアモルファスの研究に対して,裾野を広げることに繋がり,極めて重要である.また,粒子の熱的な緩和のみならず,これらの系に剪断流をかけるなどの外場応答を研究する準備が整った.将来的には,非線形流動現象と粒子変形の関係などに関する知見が得られると考えている.また,本系は自己駆動させることにより,細胞集団を表現することが可能である.今後の研究では,細胞集団などのアクティブマターへの拡張も視野に入れ,研究を進めていく予定である.
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)