2015 Fiscal Year Annual Research Report
振動誘起流れの周波数変調を用いたオープンチップでの細胞フィルター,トラップ操作
Project/Area Number |
15H06268
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
早川 健 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70759266)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / システムオンチップ / 細胞・組織 / バイオテクノロジー / マイクロ流体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,まず今までディスクリートのピエゾ素子を用いて振動を印可する系を構築していたものに対して,市販のXYピエゾステージを購入し,kHzオーダーの振動を安定して印可できる系を構築した. 次に,マイクロピラーのパターン間隔を変えたフィルター用のマイクロピラーアレイを作製し,その効果を確認した.マイクロピラーの間隔を変えることにより,70μm程度のサイズの粒子と,2~5μm程度のサイズの粒子を分離するフィルター機能の原理確認に成功した. また,新たな試みとして,従来のマイクロピラー構造とは異なる非対称の構造をチップ上に作製し,振動を印可した際に誘起される流れの観察を行った.ここから,チップに印可する円振動の方向を時計回り,反時計回りと切り替えることによって,それぞれ異なった流れのパターンを誘起できることが分かった.これを利用することによって,同一システム上で異なる細胞操作を実現し,なおかつそれを任意のタイミングで切り替えることが可能であることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的としていたフィルター機能に関して,順調に原理確認を行うことができた.流れパターンの周波数依存性については,まだ詳細確認ができていないが,新たな発見として非対称な構造を用いた操作の切り替えを行うことができることが分かった.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の目的である,周波数による流れパターンの変調についてまず評価を行う予定である.その後,具体的なアプリケーションであるフィルター・トラップ操作用のデバイス設計・製作・評価を行っていく.
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