2016 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of gravity responses in Marchantia polymorpha L.
Project/Area Number |
15H06271
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉本 美海 (橋本美海) 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (70437755)
|
Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
|
Keywords | 環境応答 / 重力 / ゼニゴケ / 変異体 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゼニゴケは進化上最も初期に誕生した陸上植物であり、仮根を地下へ、葉状体や生殖器を光合成や生殖に有利な上方へ成長させるという重力応答性を持つことが示唆されており、遺伝子の冗長性が低いという利点がある。一方、高等植物シロイヌナズナを用いた解析によって重力屈性に関わる遺伝子がいくつか明らかになっている。このような遺伝子群(AtRLD1-AtRLD4)のゼニゴケオルソログ遺伝子は1つで、このMpRLDをCRISPR-CAS9のシステムを利用して破壊株を作製したが、野性株と異なる表現型を持つものは得られなかった。現在はより大規模な欠損を生じる変異を導入しているところである。一方、AtRLD2の部分配列(AtRLD2_BRX)を重力感受細胞で発現させると根が上方に向かい、重力応答が逆になることが我々の研究によって明らかとなっているが、MpRLD_BRXをゼニゴケで過剰発現させるといくつかの葉状体が重なりあった表現型を示した。この表現型はオーキシン応答に関わるMpARF1の過剰発現体の形質と類似していた。さらにMpRLD全長の過剰発現体はオーキシン生合成遺伝子YUC1の過剰発現体と類似した表現型を示した。これらの結果からMpRLD遺伝子がオーキシンの合成またはシグナル伝達に関わる可能性が示唆された。Atrld1~4の4重変異体はオーキシンの輸送に関わる変異体と表現型が類似しており、RLD遺伝子のオーキシンシグナリングへの関わりは種を超えて保存されていると考えられた。また、ゼニゴケの重力応答に関わる遺伝子の変異体スクリーニングについて、仮根や生殖器の重力応答性を検討したが、同一個体でも一様な応答が見られないこと、定量化が難しいことがわかった。そこで条件検討を行い、重力に依存した明確に定量化が可能な表現型を見出すことができた。
|
Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|