2017 Fiscal Year Annual Research Report
曲線複体の細密な性質を用いた3次元多様体のヘンペル距離の研究
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15H06284
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
井戸 絢子 愛知教育大学, 教育学部, 助教 (00759532)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2019-03-31
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Keywords | 曲線複体 / Heegaard分解 / 3次元多様体 / ヘンペル距離 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、3次元多様体のヘンペル距離や曲線複体に関して、以下の研究を行った。
(1)これまでの研究において,与えられたヘンペル距離(3以上の自然数)を実現するHeegaard分解に対して,その曲線複体上の測地線が一意に定まるという性質を「keen」と定義し,このようなHeegaard分解が存在することを奈良女子大学の小林毅氏,張娟姫氏との共同研究で示したが,今年度は,この結果をまとめた論文がAdvance Studies in Pure Mathematics (ASPM), Mathematical Society of JAPANに掲載されることが決定した.
(2)曲線複体の性質(測地線,円盤複体などの部分複体)を細密な幾何学(Fine geometry)の観点からさらに追求すると共に,これまでの測地線の構成方法を利用して,絡み目の橋分解に対して「keen」の概念を拡張し,そのような性質をもつ絡み目の橋分解の構成に着手した.具体的には,奈良女子大学の小林毅氏,張娟姫氏との共同研究において,曲線複体上の測地線が一意に定まるHeegaard分解に対しては,非分離的単純閉曲線を用いて測地線を構成するが,絡み目の橋分解に対しては曲面上の非分離的単純閉曲線,分離的単純閉曲線のどちらを用いても構成することが可能であるということを確かめ,現在,keenな絡み目の橋分解の存在についてまとめた論文の執筆を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
曲線複体の測地線の具体的な構成方法と、それによって得られた測地線の性質は,ヘンペル距離を実現するようなHeegaard分解の特徴づけや具体的構成への応用が期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた曲線複体の測地線に関する結果を踏まえて,曲線複体の測地線と部分複体の細密な性質をさらに追求し,ヘンペル距離を実現するようなHeegaard分解のより具体的な構成に取り組む.
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