2015 Fiscal Year Annual Research Report
潜顕熱分離空調システムによる空調場改善の定量的評価
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15H06288
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
鍋島 佑基 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10738800)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | デシカント換気 / 浮遊真菌 / IAQ / 着衣の熱抵抗 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 「温熱感の変化」の評価: 温熱感の変化の評価として、湿度環境の変化によるclo値の変化の検討を計画している。昨年度は22度、50%の空気環境において、着衣の重量とclo値の関係性を調べた。着衣重量を0, 800,1300,1600,2000,2500g と段階的に変化させてclo値との関係を調査した結果、正の相関関係を確認した。本年度では湿度環境を低湿・高湿に制御した環境において、同様の試験を実施する予定である。着衣重量は湿度環境によって変化することが予測されることから、湿度がclo値に及ぼす影響を確認できると考えられる。 また、気流感の変化については、現在研究室が保有するCFD解析ソフト「フローデザイナー」を用いた計算モデルの構築を実施している。本年度では同ソフトで作成したモデルを用いて気流感の変化を検討する予定である。 2.空気質の変化: 空気質の変化として、デシカントシステム導入によるカビの抑制が期待できる。当初は大学内で調査を実施する予定であったが、ハウスメーカーの協力を得られることになったため、市販のデシカントユニットを導入した実住宅を対象とした実測試験を2015年12月に開始した。本住宅はお泊り体験用住宅として施工された実住宅であり、昨年度の冬に竣工されたものである。そこで、本住宅の換気吹き出し口を対象に浮遊真菌の採集を行った。培養のために、小型の恒温恒湿チャンバーを購入した。培養試験の結果、外気に比べて室内の浮遊真菌数は明らかに少ない結果が明らかとなった。これは、相対湿度が中湿域に維持されていたためであると考えられる。今後は中間期、梅雨、夏期の浮遊真菌数を調査し、カビ発生リスク評価を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・デシカントシステムを導入した実住宅の竣工が昨年末になってしまったため、浮遊真菌類の評価が遅れている。これについては、現在中間期の評価を行っており、梅雨、夏期についても同様に行っていく予定である。 ・サーマルマネキンを用いたclo値と着衣重量の関係性については、サーマルマネキンの周囲湿度を調整するためにスポットクーラーや超音波加湿器等の空調補助ユニットが必要であることが明らかとなった。したがって、本年度にこれらの装置を購入し、実験を再開する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 「温熱感の変化」の評価: 今後は湿度環境を低湿・高湿に制御した環境において、clo値の評価を実施する予定である。着衣重量は湿度環境によって変化することが予測されるため、高湿、低湿環境を構築するための空調補助器を購入して実験を進める予定である。気流感の変化については、CFD解析を中心に気流感の変化を検討する予定である。 2.空気質の変化: 今後の浮遊真菌類の評価を行うにあたり、中間期、梅雨、夏期の浮遊真菌数を調査する予定である。特に梅雨時期、夏期における高温多湿な環境において、浮遊真菌数が低減されていることを実証することで、IAQ改善効果を明確化する。
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