2016 Fiscal Year Annual Research Report
A History of the River Basin and Seashore in Mainland Southeast Asia in the 20th Century: Subsistence Routes Border-Crossing from the Mekong Delta
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15H06296
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
下條 尚志 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 研究員 (50762267)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 東南アジア大陸部 / 河川 / 海域 / 戦争 / 越境 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、全体的に大きな成果を得られたと考えられる。 ①国内外の研究会や学会において積極的に研究発表を行った。特に、2016年9月台湾・東南アジア学会全国大会(2016 Annual Conference on Southeast Asian Studies in Taiwan)において発表した 論文"Local Politics in National Border-Crossing between Southern Vietnam and Cambodia: Mobility in the Mekong Delta after the Cold War"で最優秀論文賞を受賞した。同論文は、冷戦終結以降、増大するベトナム―カンボジア間越境者の存在が、ベトナム南部メコンデルタのローカルな政治にいかに影響を及ぼしてきたのかについて論じたものである。この四半世紀の間にこの2つの国で起こってきた変化を、人々の移動という観点から包括的に捉えるべく、フィールドワークで得られた資料に基づき執筆した。 ②研究成果も積極的に刊行し、風響社ブックレットシリーズから、2016年11月に単著『戦争と難民―メコンデルタ多民族社会のオーラル・ヒストリー』を出版した。同著は、メコンデルタ沿岸部の多民族的な一地域社会において戦争や貧困から人の移動が起こり、民族の異なる人々の接触から新たな社会関係が築かれていく過程を論じた。 ③京都大学東南アジア研究所に行ってきたゾミア研究会の企画・運営に携わり、国内外の研究者を招聘して計12回の研究会(うち国際ワークショップは4回)を開催した。そのうち、計2回は、「水のゾミア」という企画であったが、この企画では、河川や海域が国家の政治的影響力の弱い場所としてどのように存在していたのかを議論した。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)