2015 Fiscal Year Annual Research Report
環境適応における薬剤排出ポンプの機能解析および新規阻害剤の探索
Project/Area Number |
15H06364
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山崎 聖司 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (70757301)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2016-03-31
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Keywords | 排出ポンプ / 多剤耐性菌 / サルモネラ / AcrB / トランスポーター / 感染症 / 薬剤耐性 / フェノタイプマイクロアレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
サルモネラには多くの薬剤排出ポンプが存在しているが、限られた化合物でしか研究がなされておらず、多くの種類の化合物を用いて排出機構の研究を行う必要がある。本研究では、排出ポンプとサルモネラ薬剤感受性の関係を調べるため、Biolog社のフェノタイプマイクロアレイを用いて、野生株と9つの排出ポンプ欠損株(以下Δ9)の呼吸活性を、2000種の条件下で測定した。また、様々な排出ポンプ欠損株を用いて、活性に違いがあった化合物の最小発育阻止濃度(MIC)を測定し、各化合物存在下における増殖曲線を測定した。これらの結果から、各化合物の感受性に影響する排出ポンプを特定した。
フェノタイプマイクロアレイを用いた実験の結果、Δ9が野生株に比べ感受性を示したのは、66種の構造的に関連性のない化合物であった。Δ9はβラクタム・キノロン・マクロライドを含む多くの抗菌薬に感受性化するだけではなく、色素・界面活性剤・抗ヒスタミン薬・植物性アルカロイド・抗精神病薬・抗原虫病薬などにも感受性を示した。MICの測定結果からは、主にacrABとtolCの欠損が、これら化合物への感受性化の原因であることが分かった。また、acrB欠損株・tolC欠損株・Δ9は、化合物非存在下では野生株と同等の増殖能を有するにもかかわらず、化合物存在下での各欠損株の増殖速度は、野生株に比べ非常に遅い、あるいは増殖しないことが確認された。
抗ヒスタミン薬や抗精神病薬などの薬剤も排出ポンプの基質であり、サルモネラの薬剤耐性機構において、AcrAB-TolC排出システムが担う役割が非常に広いことを明らかにした本論文は、Journal of Infection and Chemotherapy誌に採択された。さらに研究を進め、基質薬剤の構造情報を利用した、排出ポンプに排出されにくい薬剤設計手法の確立につなげたい。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(28 results)
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[Presentation] Structural Basis for the Inhibition of Multidrug Efflux Pumps2015
Author(s)
Seiji Yamasaki, Ryosuke Nakashima, Keisuke Sakurai, Katsuhiko Hayashi, Chikahiro Nagata, Kazuki Hoshino, Yoshikuni Onodera, Akihito Yamaguchi, and Kunihiko Nishino
Organizer
The 19th SANKEN International Symposium 2015, The 14th SANKEN Nanotechnology Symposium
Place of Presentation
ICHIO Hall, Osaka University, Japan
Year and Date
2015-12-07 – 2015-12-09
Int'l Joint Research
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