2015 Fiscal Year Annual Research Report
22q11.2欠失症候群における硬組織形成異常発症機序の解析
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15H06388
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤川 順司 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (40760377)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 22q11.2 欠失症候群 / TBX1 |
Outline of Annual Research Achievements |
22q11.2欠失症候群は22番染色体長腕の微細欠失により確認される症候群であり、疾患の特徴として、先天性心疾患、免疫不全症、低カルシウム血症、鼻咽腔閉鎖不全、学習障害、エナメル質形成不全などが挙げられる。22q11.2欠失症候群の候補遺伝子としてTBX1が同定されている。エナメル質は増殖した内エナメル上皮から分化したエナメル芽細胞が分泌する基質が成熟することでつくられていく。TBX1はこれらの増殖、分化、成熟を制御しており、エナメル質形成不全にもTBX1の変異が関与するといわれている。しかし、本疾患における歯牙石灰化の程度が様々であることや逆に象牙質石灰化亢進が見られる症例が見出されていることなどからTBX1以外にもエナメル質形成不全の発症を制御する遺伝子があると考えられる。それらの遺伝子の同定、発現解析、および歯の発生・成熟における機能解析を本研究の目的とした。 22q11.2 欠失症候群における歯の硬組織形成異常を制御する可能性のある遺伝子をヒトゲノムのデータベースを用い、22q11.2欠失症候群の患者で高い頻度で同様の欠失が見られるヒト染色体22q11.2領域中の19~22Mb間の約3Mbにおいて網羅的に検索を行った。次に、生後2日齢マウス歯胚から調整したtotal RNAを逆転写したcDNAを用いてPCRによる発現解析を順次行った。その結果、slc25a1,Cdc45など複数の遺伝子で発現を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
22q11.2欠失症候群の患者で高い頻度で同様の欠失が見られるヒト染色体22 q11.2領域中の19~22Mb間の約3Mbに歯の硬組織形成異常を制御する可能性のある遺伝子が複数認められたため。
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Strategy for Future Research Activity |
さらにヒト染色体22 q11.2領域中の19~22Mb間の約3Mbで歯の硬組織形成異常を制御する可能性のある遺伝子を確認し、それらの遺伝子の成熟歯牙組織ならびに歯胚における発現解析を行う。発現が確認された遺伝子に関して機能解析を行っていく。
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Research Products
(1 results)