2015 Fiscal Year Annual Research Report
エクイティファイナンスと証券アナリストの情報生産機能
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15H06400
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
加藤 政仁 神戸大学, 経済学研究科(研究院), 講師 (60755536)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 経営学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、証券アナリストの情報生産機能が、企業の株式発行を通じた資金調達(以下、エクイティファイナンス)に及ぼす影響を実証的な側面から検証していくことであります。 エクイティファイナンスでは、発行価格が証券市場で流通する株式の取引価格(株価)に対して、過少に値付けられることが広く知られております。その要因には、証券市場に参加する投資家の間で、企業価値についての情報の非対称性が存在することが挙げられます。 本研究では、企業情報を収集・分析し、企業評価に関する情報を投資家に普及する役割を担っている証券アナリストが、発行価格の過少値付けにどのような影響を及ぼすかについて、我が国で1998年から2014年までに実施された公募増資を対象に実証的な側面から検証を試みました。検証の結果、証券アナリストにカバーされている企業ほど、公募増資時の過少値付けの程度が小さいことが明らかになり、証券アナリストの情報生産機能がエクイティファイナンスにおける過少値付け問題を緩和させることを示しました。 また、証券アナリストの独立性の違いが、アナリストの情報生産機能に及ぼす影響についても検証を行いました。証券アナリストの独立性が高まるにつれて、投資家に対して発信する企業評価情報の公正性が高まりますが、証券アナリストの情報入手経路が限定されることで、結果として、証券アナリストの情報生産機能は低下することがわかりました。 現在は検証は終わり、その成果を論文にまとめております。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は文献整理やデータ収集に大半の時間を費やすことを予定しておりましたので、進捗状況としては予定通り順調に進展していると考えられます。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果をワーキングペーパーにまとめ、学会発表を行い、その後は学術誌への投稿する予定であります。また、エクイティファイナンスイベントを利用して、証券アナリストの外部監視者としての効果の有無も検証する予定ですので、こちらの論文も合わせて作成していく予定であります。
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