2015 Fiscal Year Annual Research Report
TFGの膵臓・肝臓・脂肪組織における糖・脂質代謝調節機序の解明
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15H06427
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山本屋 武 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 助教 (50760013)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 脂質代謝 / 細胞内小胞輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
Trk-fused gene (TFG) は小胞体からGolgi体へのCOPⅡ小胞輸送に重要な役割を担う蛋白であり、その遺伝子異常がいくつかの神経変性疾患の原因となることが最近報告されてきている。我々はPTEN結合蛋白の網羅的解析にてTFGを同定し、さらに肥満モデルマウスの代謝標的臓器にてその発現量が変化していたことから、TFGの糖・脂質代謝における役割の解明に着手することにした。 当該年度は主に膵β細胞特異的TFG KOマウス(以下βTFGKOマウス)の表現型解析を行った。βTFGKOマウスは普通食負荷条件下にて糖負荷後の顕著な血糖上昇を認めた。インスリン感受性には明らかな差を認めず、インスリン分泌の低下によるものと推察された。インスリン免疫染色にてβ細胞量の低下を認める他、単離膵島にてグルコースやSU薬刺激によるインスリン分泌(細胞内インスリン含量にて補正)の有意な低下を認めることから、β細胞量・機能双方の障害が原因として示唆された。 また脂肪細胞におけるTFGの役割について培養細胞 (3T3-L1細胞) を用いた検討を行ったところ、siRNAによるTFG knockdownにより脂質合成関連遺伝子の発現低下とともに脂肪細胞分化の抑制が認められた。現在、脂肪細胞特異的TFG KOマウスを作製中であり、作製が完了次第、高脂肪食負荷による脂肪重量増加、肥満形成への影響を検討したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
膵β細胞特異的KOマウスの表現型については解析が順調に進んでおり、現在は詳細な分子機序の解明を目指しているところである。 脂肪細胞特異的KOマウスについても作製は概ね終了し、十分な個体数が確保でき次第、実験が開始できる状況となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
膵β細胞におけるTFGの役割については、β細胞量・機能それぞれの障害を来す詳細な分子機序につき解明を行っていく。β細胞量に関しては高脂肪高スクロース食負荷による代償性膵島肥大への影響についても現在検討を開始しているところである。 脂肪細胞におけるTFGの役割については、脂肪細胞特異的KOマウスを用いて、高脂肪食負荷時の体重および脂肪重量の増加や、脂肪組織の慢性炎症への影響について、検討を行っていきたいと考えている。
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Research Products
(1 results)