2015 Fiscal Year Annual Research Report
集中治療におけるベッド上ペダリング運動による呼吸機能・下肢筋力・意欲への効果
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15H06440
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
佐伯 京子 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60759687)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 看護技術 / ICU |
Outline of Annual Research Achievements |
<研究の目的>本研究の目的は、集中治療室入室患者(以下ICU患者)に対する下肢エルゴメーターを使用したベッド上でのペダリング運動によるリハビリテーションが、呼吸機能と下肢筋力および患者の回復への意欲に与える影響を明らかにすることである。本研究によって、ICU患者がベッド上で実施できる効果的で安全な早期リハビリテーションが可能となり、呼吸機能、下肢筋力および回復への意欲向上が期待できると考える。 <研究実績の概要>1)H27.9~H27.12:実験準備として論文検討を重ね、海外・国内の最近の早期リハビリテーションに関する状況を詳細に把握した。ICU患者に対して受動的なベッド上での下肢ペダリング運動を実施している文献はあったが、能動的な下肢ペダリング運動を実施している報告はみられなかった。また、ベッド上での下肢ペダリング運動が下肢筋力へ与える影響を報告しているものはあったが、呼吸機能・運動への意欲などへの影響を報告している文献はほとんどみられなかった。そのため、複数の面から評価をするため評価項目は呼吸関連指標として肺活量・1秒率・1回換気量等を調査し、筋力関連項目として大腿四頭筋の筋力を測定し、下肢組織酸素代謝指標を測定できるようにした。また、運動への意欲に関しては、意欲に関する5項目をVAS(Visual Analog Scale)で調査することとした。 2)H28.1~H28.3:実験の準備を整え、ICU患者に対し実施する評価項目の妥当性と安全性の検証のために、呼吸機能が同等と考えられる20歳~45歳までの健常者20名を対象に、下肢ペダリング運動を行う下肢ペダリング運動群と深呼吸を行う標準的リハビリテーション群でクロスオーバーデザインでの介入を実施した。現時点で介入継続中であり、今後、呼吸機能・下肢筋力・運動への意欲の効果を検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H28.3までに健常者のデータ分析を終了する予定であったが、十分なデータを収集していない状況であり、H28.4までデータ収集をしている現状である。今後データを分析し、ペダリング運動の効果と安全性が確認でき次第、ICU患者の実験に移行できるように準備をすすめていく。
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Strategy for Future Research Activity |
H28.4までに健常者のデータ収集を終了し、H28.5~H28.6にデータ分析を行う。結果より、ペダリング運動の効果と安全性が確認でき次第、ICU患者の実験に移行する。ICU患者の実験では、ICU患者を対象に下肢ペダリング運動の効果を確かめる。方法は、選択基準をもとにサンプリングされたICU患者を封筒法で無作為に2群に振り分ける。介入群を下肢ペダリング運動群とし、コントロール群を標準的リハビリテーション群とするRCTを実施する予定である。
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