2015 Fiscal Year Annual Research Report
外国人労働者子女の定住化と教育問題に関する総合的教材開発研究
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15H06452
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
鈴木 正行 香川大学, 教育学部, 准教授 (90758856)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 定住外国人子女 / 社会的排除 / 多文化共生 / 高校入試特別枠制度 / 当事者性 / 公共性 / 教材開発 / 社会的統合 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本に生まれ育ち定住する外国人労働者子女の教育・進路問題を把握するために,南米系外国人労働者が多く集住する静岡県浜松市を主な対象地域として調査を行った。具体的には,①高校入試特別選抜枠制度を有する浜松市立高等学校インターナショナルクラス,②浜松市教育委員会教育相談支援センター,③浜松交際交流協会(HICE)多文化共生センター,④NPO法人浜松外国人教育支援協会,などを訪問し聞き取り調査・資料収集を行った。また,比較のために群馬県邑楽郡大泉町における外国人児童生徒の教育問題等について,同町教育委員会を訪問し,聞き取り調査を行った。聞き取り調査からは,①2008年のリーマンショック後から減少が続いていた外国人児童・生徒数が増加に転じ始めたこと,②外国人子女に将来への希望をもたせることを目的に,大学に進学したり,企業等で活躍したりしている先輩外国人子女をロールモデルとした講座の開設,③外国人の若者たちによる交流事業への支援,④日本語学習支援スタッフの養成事業,などが行われていることがわかった。しかし,その一方で,行政,国際交流協会,NPOなどが,就職先となる企業と直接関わることがほとんどないという実態も明らかとなった。 上記の調査活動に加え,外国人の社会的排除と外国人子女の進路問題について,実際に浜松市で起こった外国人入店拒否事件訴訟と,仮想の高校入試特別枠(日本版アファーマテイブアクション)訴訟を組み合わせて学習材とし,当事者性と公共性を結ぶ中学校社会科公民的分野の単元開発を行った。開発した単元をもとに,香川大学教育学部附属高松中学校において,第2学年生徒118名を対象に授業実践を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査対象の中心地域である静岡浜松市での調査は比較的進んでいるものの,群馬県大泉町を除いて、比較対照となる地域(三重県,愛知県,静岡県磐田市等)での調査が実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
三重県鈴鹿市または四日市市,愛知県豊橋市または豊田市,静岡県磐田市等における調査を進める。浜松市においても,外国人子女の多くが進学する県立定時制高等学校,公共職業安定所,外国人の若者による活動団体、NPOでの調査を進めていく。 浜松市および香川県において、外国人子女の教育・進路問題およびグローバル教育に関する意識調査を行う。 教材開発については,日本の中学生の中にある社会的排除観の克服をめざす具体的な方法を考えた教材開発を進め、研究成果をまとめるとともに、日本公民教育学会などの社会系教育学会で報告する。
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Research Products
(1 results)