2016 Fiscal Year Annual Research Report
People who flow into the medieval Yemen
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15H06464
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
馬場 多聞 九州大学, 人文科学研究院, 助教 (70756501)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | イエメン / ラスール朝 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、中世イエメン史に関連するアラビア語史料や先行研究の収集、それらの分析に、注力した。
中世イエメンにおいて著された年代記や人名録に目を通し、外部より到来したと思しき人々の記述を集め、彼らを著す単語がそれぞれどのような意図をもって用いられたものか、検討を重ねた。その結果、中世イエメンへ流入した奴隷には多くの東アフリカ出身者が含まれており、なかには宦官として支配者層に仕え、高位に登り詰める者もいたことを示した。また、他の中世イスラーム世界に見られるようなスラヴ人などの北方由来の奴隷がイエメンではほとんど確認されないことを明らかにした。さらには、他地域ではもっぱら奴隷を意味する語が中世イエメン史料では自由人を指す傾向に見られるなど、史料における用語の用いられ方についても、新たな指摘を行った。この研究成果については、2017年3月に刊行した書籍のうちの一章に反映されている。
あわせて、中世イエメン史料において東アフリカに関する記述がどのように含まれているかという点から、当該研究課題について史料にもとづいた考察を加えた。東アフリカからイエメンへ流入した人々のうちには、奴隷の他にも知識人や亡命者が見られた。なかにはイエメンの知識人層と婚姻を重ね、東アフリカ出身者としてのアイデンティティーをその名前のなかに残しつつも、ひとつの家系を成立させる者も見られた。この研究成果については、2017年3月に論文として刊行した。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)