2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15H06466
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
梶田 知沙 九州大学, 経済学研究科(研究院), 助教 (90756503)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 国際環境協定 / ゲーム理論 / 環境R&D / 環境技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,2つのプロジェクトを進めた.第1のプロジェクトでは,R&D費用の大きさが国際環境技術協定有効性に与える影響を検討した.その結果,環境技術協定の有効性を決定づけるR&D費用に関する閾値が存在すること,その閾値が資源を共有する国の数の増加関数となっていることを明らかにした.この成果は2017年にRoutledgeから刊行予定の学術論文集(Economics of International Environmental Agreements: A Critical Approach)の1チャプターとして掲載される予定である.第2のプロジェクトでは,技術採択便益の不確実性が国際環境協定の有効性に与える影響を検討した.その結果,不確実性の存在が協定の有効性を高める可能性があることを明らかにした.この成果は,国際会議(The 21st Annual Conference of the European Association of Environmental and Resource Economists)や国内学会(日本応用経済学会)にて報告された.また,今後,関西学院大学の経済学セミナーや日本経済学会でも報告したのち,査読付き国際学術雑誌へ投稿することを予定している.現在,技術採択便益のスピルオーバーと技術協定の有効性の関係を分析しており,結果が明らかになり次第,国内外の学会にて報告することを予定している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1つ目のプロジェクトは掲載先が決まり,2つ目のプロジェクトも国際学会にて報告されるなど,具体的な成果が得られていることから,おおむね順調であると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
第1のプロジェクトに関しては,掲載予定先のエディターとやり取りし,論文内の細かい表現等を改善する予定であるが,このプロジェクトは概ね終了したとみなされる.第2のプロジェクトについては,分析結果は明らかになっているので,今後は学会報告を重ね,査読付き国際学術雑誌へ投稿できるレベルまで改善を重ねる予定である.
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Research Products
(5 results)