2016 Fiscal Year Annual Research Report
Asymmetric Construction of Chiral Knotted Complex Bearing Transition-Metals
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15H06469
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
槇田 祐輔 九州大学, 理学研究院, 助教 (00752453)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | トポロジー / トポロジカルキラリティ / ノット / 遷移金属錯体触媒 / 不斉合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、配位子設計に新たなキラリティーの概念を導入し不斉合成の可能性を拡張させることを目的としたものであった。有機合成化学において、エナンチオ選択性の制御は極めて重要であり、遷移金属錯体触媒を用いる分子変換反応ではこれまでに様々なキラリティーを組み込んだ配位子が開発され高いエナンチオ選択性が達成されている。一方、それらの配位子は合成ならびに構造最適化が容易でない場合が多く、その多様性も高いとは言えない。トポロジカルキラリティーとは分子の絡み合い によって発生する不斉のことであり、これまで不斉配位子のデザインとして採用されたことはなかった。そこで代表的な構造の一つであるトレフォイルノット(三つ葉様の結び目)構造を有する金属錯体を合成し、触媒的不斉合成へと展開することを計画した。 はじめに、既存のノット前駆体の両末端に配位部位としてリンを導入した鎖状分子の合成に取り組んだ。しかしながら既知の合成法が極めて再現性に乏しくその合成は難航した。現在大きく3つの部分構造の合成が完了しており、それらを結合させて配位子の合成を完了する段階にある。今後、金属錯体化と触媒反応への応用を検討したい。 同時に、ノット型金属錯体の不斉合成も検討した。まずは、ビピリジン配位子の両端にアルケンを導入した配位子を合成した。続いて亜鉛との錯体化を行うことで3つのビピリジン配位子を持った錯体を得た。ここでルテニウム触媒によるオレフィンメタセシス反応によって配位子同士を結合させノット型金属錯体が効率は不十分ながら合成できることがわかった。現在、メタセシス反応に用いる触媒を光学活性なルテニウムまたはモリブデン錯体とすることで動的速度論的光学分割によるノット型金属錯体の不斉合成に取り組んでいる。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)