2015 Fiscal Year Annual Research Report
膵オルガノイドを用いた、膵癌フェノタイプ特異的な基質リモデリングパターンの解明
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15H06481
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
池永 直樹 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 共同研究員 (90759755)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2016-03-31
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Keywords | 膵癌 / 膵オルガノイド / 膵星細胞 / 細胞外基質 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト及び、マウスの膵切除組織より、3次元共培養モデルを用いて膵オルガノイドの作成を行った。ヒト膵癌細胞3/5例、正常膵管上皮細胞3/6例、マウス膵癌細胞5/5例、正常膵管細胞10/10例を樹立した。マウスは全例樹立できたが、ヒトは膵頭十二指腸切除例(術前化学療法後、重粒子線治療後)では採取した細胞が死滅おり樹立できなかった。オルガノイドの樹立にはヒト・マウスの膵癌細胞・膵管上皮細胞ともwntをはじめとする幹細胞ニッチ因子を必要としたが、一度樹立した膵癌オルガノイドはニッチ因子を必要とせず、増殖・継代を繰り返し行うことができた。 一方、膵星細胞と膵癌細胞とのコラーゲン・ゲルを用いた3次元共培養モデルにおいては、膵星細胞が膵癌細胞に先立ってコラーゲンマトリックス内に浸潤し、膵癌細胞の浸潤を先導している様子が確認された。その際に膵星細胞はコラーゲンの線維配列を浸潤方向に変化させており、膵星細胞による基質リモデリングによって、膵癌細胞の浸潤を先導していると考えられた。基質リモデリング因子の一つとしてコラーゲン取り込みレセプターであるEndo180があり、膵癌細胞とEndo180を抑制したPSCとの共培養においては、PSCのコラーゲン・ゲルへの浸潤能は有意に抑制され、それに伴って浸潤する癌細胞数も減少した。また、ヒト膵癌切除組織から樹立した膵星細胞から作成した細胞外マトリックス上で癌細胞を培養したところ、マトリックスの平行な線維の割合が多いほど、癌細胞の運動性は亢進し、細胞外基質の線維配列といった質的特徴が癌の浸潤に関与していると考えられた。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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