2015 Fiscal Year Annual Research Report
インプラント周囲組織の治癒を促進する新規手法の開拓
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15H06490
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安波 礼之 九州大学, 大学病院, 医員 (00758021)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | スタチン / インプラント / 治癒 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔内構成細胞にスタチンを作用させた際の細胞動態に対する詳細なメカニズムを評価することを目的として、RT-PCRを用い、線維芽細胞におけるGタンパク関連シグナルレセプターの遺伝子発現のスクリーニングを行った。 RT-PCRの結果によると、線維芽細胞の組織への浸潤に関係するLPAレセプター1や、CTGF, FGF-2などの細胞の活性に関係する遺伝子の増加が認められ、また、Gタンパク共役受容体の活性を制御するarrestinの遺伝子の減少やMAPKのネガティブフィードバックとして働くdual specificiity phosphate14の遺伝子発現も減少したことから、本解析においてフルバスタチンによって線維芽細胞の増殖や移動が促進されたと考えられる。骨芽細胞・口腔上皮細胞に関しては、手技・細胞培養温度の違いにより実験が行えていないため、本年度も継続して実験を継続する予定にしている。 細胞実験が遅れている分、28年度行う予定にしていた動物実験の一部を27年度に行った。 スタチンのインプラント周囲組織に与える影響について検討を行うため、実際にラット口腔内にインプラントを埋入し、近傍にPLGA-フルバスタチン複合体を投与することによって、インプラント-骨接触率を評価した。結果として、インプラント埋入直後にPLGA-フルバスタチン複合体を近傍投与することによって、インプラント-骨接触率が増加することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞実験において口腔内関連細胞である線維芽細胞・骨芽細胞・口腔上皮細胞を用いて行う予定にしていたが、手技・細胞培養温度の違いにより、骨芽細胞・口腔上皮細胞の実験においてまだデータを出せていない。その分、28年度実験予定にしていた動物実験の一部を27年度に行ったため、進捗状況はやや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、細胞実験において骨芽細胞・口腔上皮細胞にスタチンを作用させた際の細胞動態に対する詳細なメカニズムを評価する。動物実験においては口腔内にインプラントを埋入し、近傍にPLGA-フルバスタチン複合体を投与することによって、インプラント周囲骨・軟組織に与える影響について評価する。
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Research Products
(2 results)