2015 Fiscal Year Annual Research Report
代数構造を起点とする統計的推測および実験計画の研究
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15H06531
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
小川 光紀 首都大学東京, 社会(科)学研究科, 助教 (50758290)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 統計計算 / 実験計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,統計的推測や実験計画法の問題に付随する代数的構造に着目することによって,実問題で重要となる統計的推測における数値計算手法を確立すること,および実験計画法における基礎理論を構築することであった.このような目的意識のもとで,次のような進展が見られた. 1. 統計的推測に関しては,当初の計画通りに Veronese 配置に付随する超幾何系の特別な場合について,ホロノミック勾配法による数値計算で利用しやすい形のパフィアン系の計算手順が得られた.研究の初期段階では,この問題の応用先として条件付き分布に基づく統計的推測における規格化定数の計算を念頭に置いていた.しかし,東京大学の清智也氏らが,より自然な応用先としてグラフィカルモデルのロバスト推定に関連する規格化定数計算の研究を行っていたため,その流れに沿って共同研究の形で進める運びとなった. 2. 実験計画の理論では,語長パターンに基づく基準が多く提案されている.特によく用いられるものとして分解能や最小 aberration 基準がある.その一方で,注目している一部の交互作用を交絡なしに推定する計画のクラスを特徴付けるための概念や,どの要因間に交互作用が起き得るかに関する事前知識を有効活用するための計画のクラスが2水準の要因を扱う計画として議論されてきた.本研究では,一般の水準数の計画について,各水準を1のn乗根にエンコードすることでこれらの結果の一部を一般化した.その際には,Fontana と Rogantin が主に進展させた,1のn乗根でのエンコードにおける指示関数の理論が有用であることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的に沿った形で順調に進展が得られているため.
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Strategy for Future Research Activity |
ホロノミック勾配法については実装し,その性能を数値実験により調べる. 実験計画についてはこれまでに得られた結果を精査するとともに,さらに追加の結果が得られないか検討する.
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