2015 Fiscal Year Annual Research Report
大学生の保健センター利用動態及び援助要請行動に関する研究
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15H06532
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
川添 美花 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (80758764)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 大学生 / メンタルヘルス / 援助要請 / 学校保健 / 早期介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、大学生の転帰と在籍期間中における大学保健センターのサービス利用状況及び健康状態との関連を明らかにすることである。それにより、大学生活を送る上で何らかの困難を抱えた学生の援助要請行動の傾向が明らかになると考える。また、援助を必要としているが、専門的なサービスを利用していない学生の傾向が明らかになり、早期発見・早期介入するためのシステム構築の一助となると考える。 今年度は研究倫理の調整に時間を要し、本格的なデータ収集が行えなかったが、大学の保健管理に従事する方々から、4年間で卒業できない学生の傾向や専門的なサービスにつながらない学生の傾向などをヒアリングし、今後行う調査内容の妥当性を検討した。 ヒアリング及び文献検討から、学生の中には学生相談のニーズはあるが、十分にサービスは利用しておらず、実際に利用しているのは5%弱であるとの報告があった。また援助が必要な状態ではあるものの自ら援助を求めることなく退学などに至る学生がいるという現状があることもわかった。 メンタルヘルス上の問題では、専門的なサービスを利用するまでに時間を要することも重要な課題であることが明らかになった。精神疾患の症状には精神症状以外にも身体症状として出現することも報告されており、精神科の医療施設などメンタルヘルスに関するサービスよりも、早期の段階では内科や整形外科など医療施設の受診など身体な問題に関するサービスを求める傾向があることも明らかになった。 これらを踏まえて、次年度にはデータ収集及び量的検討を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究の性質上、倫理的配慮を十分に行う必要があり、本研究者の所属機関及び研究協力機関との研究倫理に関する調整に時間を要しており、データ収集を開始する予定であったが、まだデータ収集を始められていない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力施設に保管されている全データを調査対象とする予定であったが、研究対象者を入学年度で絞り、対象学生の在学期間(入学から卒業・退学・除籍までの全期間)中のサービス利用及び健康状態に関して後ろ向きに縦断的にデータ収集を行い、量的検証を行う。 データ収集に時間を要することが予測されるため、データ収集担当者を増員してデータ収集にあたる予定。
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