2015 Fiscal Year Annual Research Report
原発性瘢痕性脱毛症における上皮間葉転換の関与の解析
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15H06551
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
今西 久幹 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (10571276)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 原発性瘢痕性脱毛症 / 毛孔性扁平苔癬 / 上皮間葉転換 |
Outline of Annual Research Achievements |
毛孔性扁平苔癬(Lichen Planopilaris; LPP)患者の毛包上皮幹細胞での上皮間葉転換(Epithelial mesenchymal transition; EMT)の発現を調べるため、immunohistomorphometry(タンパク質レベルでの解析)及びqRT-PCR(転写レベルでの解析)を施行した。 Immunohistomorphometryについては、Eカドヘリン(上皮系マーカー)、Vimentin(間葉系マーカー)、Slug(転写因子)について既に検討済みだったため、その他のEMTマーカーについて精査した。Fibronectin(間葉系マーカー)、Snail(転写因子)、Twist1(転写因子)については、いずれも有意に上昇していた。ただし、alpha-SMA(間葉系マーカー)、CD44(間葉系マーカー)、Zeb1(転写因子)については有意な変化は認めなかった。 qRT-PCRについてもEカドヘリン、Vimentin、Slugについて既に検討済みだったため、Fibronectin、alpha-SMAなどについて検討した。Fibronectin、alpha-SMAいずれも有意に上昇していた。CD44、SNAI1、SNAI2、TWIST1、ZEB1については有意な変化を認めなかった。 全てのEMTマーカーではないが、主要なマーカーの変化が、毛包上皮幹細胞でのEMTの発現を示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LPP患者の毛包上皮幹細胞でのEMTの発現について、タンパク質レベルでの解析及び転写レベルでの解析が予定通り終了した。また毛器官培養でのEMT導入の実験についての条件を検討しており、先行した実験では一部結果が出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞培養でEMTを導入し得た報告がある薬剤をヒト毛器官培養に添加することで、毛包上皮幹細胞にEMTを導入する。これにより毛器官培養におけるEMT導入モデルを確立する(ex vivoでの原発性瘢痕性脱毛症モデルの確立)。 次の段階として、過去の報告から細胞培養でEMTを阻害し得る薬剤をこのモデルに投与することで、毛器官においてEMTを阻害できる薬剤を検討する(新規治療法の探索)。
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Research Products
(5 results)