2015 Fiscal Year Annual Research Report
生成統語論と構造指示の仕組みによる相互補完的な説明体系の構築とその適用
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15H06564
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Research Institution | Tokiwa University |
Principal Investigator |
坂本 暁彦 常磐大学, 公私立大学の部局等, 助教 (50757193)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 生成統語論 / 普遍文法 / clausal typing / scope determination / structure indication / 形式と機能の接点 / 聞き手視点 / 日英語比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
「人間が抽象的な統語構造を作り出す際に拠り所とする生得的言語知識の体系」を普遍文法(UG (Universal Grammar))と定義づけるのが生成文法の中核的な考え方であり、話し手聞き手は同質のUGを持つとされている。しかし、統語構造を生成するのはUGであるものの、その構造は実際の言語使用の場面では線形化された表現として与えられるという意味で聞き手にとって不可視である。従って、話し手の頭の中で作られた統語構造の存在を聞き手に気づかせる手段、即ち「構造指示の仕組み」が文法体系の中にあって然るべきである。この仕組みが存在すると想定した上で、それが明示的に定式化されていないという意味で(のみ)、生成統語論は「聞き手視点不在の統語理論」であると言える。本研究は、生成統語論と構造指示の仕組みによる相互補完的な説明体系の構築を目指し、その適用を示すものである。 平成27年度は、研究実施計画に基づき、日本語修辞疑問文形成や日本語文末不変化詞「か」とレジスターの関係性、日本語不変化詞残留、英語主語省略における会話と日記の相違等のトピックを扱い、データの収集、分析を試みた。その成果を、一部未発表ではあるが大方、国内外の国際学会での発表を通して(International Workshop on Syntactic Cartography 2015、Formal Approaches to Japanese Linguistics 8)、また、機関紙への論文掲載(Tsukuba English Studies 34)という形で示してきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に示す通り、研究実施計画に基づき、学会発表・論文掲載という形で、大方予定通り研究が推進できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に行った研究で明らかになったことを踏まえ、日英語における個々の現象の分析をさらに推し進め、生成統語論と構造指示の仕組みによる相互補完的な理論の精緻化をはかる。また、構造指示がUGの外側にある仕組みであるという想定のもと、構造指示の日英語間比較を行う。さらに、構造指示のような統語外的な要請を満たしていく過程が、言語の史的変化をもたらす一つの大きな起因になっている可能性がある。こうした見込みのもとで、本研究の持つあらゆる潜在的な可能性を追求していく。得られた成果は引き続き、国内外の学会で発表するとともに、論文にその内容をまとめる。
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Research Products
(3 results)