2016 Fiscal Year Annual Research Report
Investigations of emotional information processing mechanisms on audio-visual integration
Project/Area Number |
15H06569
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
竹島 康博 文京学院大学, 人間学部, 助手 (50755387)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 視聴覚統合 / 情動 / 表情刺激 / 注意の瞬き / 時間知覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,視覚と聴覚の2つの感覚情報を統合する過程で,感情情報がどのように処理および統合に関連していくのかについて,注意機能と時間知覚の観点から検討を行った。 注意機能の観点からは,情動刺激のカテゴリーの違いによる感覚情報処理への影響の差異が視聴覚統合にも現れるのかについて検討を行った。これまでの研究により,恐怖顔と嫌悪顔で注意機能に与える影響が異なることが報告されている。本実験では,注意の瞬き課題において第1標的としてこれらの表情刺激を提示し,第1標的および第2標的にと同時に純音も提示することで,第2標的の見落としの割合に与える影響について検討を行った。実験の結果,第1標的が恐怖顔の場合,純音を同時に提示することによって第1標的の300ミリ秒後に提示される第2標的の見落としが多くなることが明らかとなった。本実験より,恐怖顔のもつ情動情報の処理により,聴覚情報は統合されるのではなくむしろ干渉するように機能するようになることが示唆された。 時間知覚の観点からは,一方の感覚刺激が内包する感情情報により,他方の感覚刺激の提示時間の長さの知覚が影響を受けるのかについて検討を行った。単一感覚における情動刺激による時間知覚の研究では,ポジティブおよびネガティブどちらの情動刺激であっても中性刺激よりも提示時間が長く知覚されることが報告されている。本実験では,視覚の情動刺激である表情刺激を同時に提示することにより,感情情報をもたない聴覚刺激の純音の提示時間の長さの知覚が変容するのかを調べた。実験の結果,怒り顔を同時に提示した場合に,純音の提示時間が実際よりも長く知覚されていた。視覚と聴覚の統合過程においては,2つの感覚の統合時に1つの感覚表象が形成される。本実験より,この表象の形成時に感情情報も内包されていることが示唆された。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)