2016 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the mode of action of kurahyne, an ER-stress inducer
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15H06584
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岩崎 有紘 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 助教 (00754897)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 破骨細胞 / シアノバクテリア / 海洋天然物 / プロヒビチン |
Outline of Annual Research Achievements |
クラハインは、ヒト由来細胞の小胞体膜上のカルシウムイオンポンプ(SERCA)の活性を阻害する天然物である。一方で、マウス由来マクロファージの破骨細胞への分化を阻害する活性も持つ。破骨細胞への分化阻害が、SERCAの阻害によって引き起こされているとの予想のもと、破骨細胞分化阻害活性の作用点解析を行った。 細胞質内カルシウムイオン濃度の解析結果と、クラハイン‐ビオチンプローブを用いたアフィニティー精製の結果、意外なことに、クラハインはマウス由来RAW細胞のSERCAの活性を阻害しないことが明らかとなった。このことは、本化合物がヒトとマウス間のSERCAの構造の違いを認識し、ヒト由来SERCAを特異的に阻害していることを示唆する結果であった。ヒトとマウス間でのSERCAの構造は大部分が保存されているため、クラハインのSERCA結合部位を特定する上で、重要な情報が得られた。 一方で、ビオチンプローブへの結合タンパク質を精査した結果、第二、第三の結合タンパクの存在が示唆された。ペプチドマスフィンガープリンティング法により結合タンパク質の同定を試みたところ、これらのタンパクがプロヒビチン(PHB)1および2であることがわかった。このことは、PHB抗体を用いたWBからも裏付けられた。PHBsはCRafとの複合体を形成することでMAPK経路を活性化することが知られている。MAPK経路の下流にはc-Fosがあり、このものが破骨細胞の分化に必須の NFATc1 の活性化に関与している。以上の結果から、クラハインによる破骨細胞分化阻害活性は、当初予想されたSERCAの阻害活性によるものでなく、PHBsの阻害によって下流のc-Fosが不活化されたために誘導されるという新たな仮説が示唆された。今後は、遺伝子ノックアウト法またはノックダウン法を用いて、PHBsと破骨細胞分化阻害活性の関連性を解明する。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)