2016 Fiscal Year Annual Research Report
Analyzing the mechanisms of perinatal angiogenesis and regulation of tissue oxygen levels
Project/Area Number |
15H06591
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
浅田 礼光 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (20757439)
|
Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
|
Keywords | 早産児 / 胎児子宮内発育遅延 / 血管新生 / 多血 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に続き、発生過程における血管新生の機序の解明を試みた。早産低出生体重児として出生した2症例で腎臓における尿細管周囲毛細血管の減少、エリスロポエチン上昇、および多血を認めたことから、周産期における血管減少の原因を検討した。 超低出生体重児36人を後方視的に解析した。多血患者を12人 (33.3%)に認めた。多血群、非多血群で解析時年齢に差はなかった。多血群では有意に出生体重が低いことが判明した。出生週数、子宮内発育遅延 (IUGR)の有無はそれぞれ単独では多血と相関しなかった。「26週未満またはIUGRの有無」とは有意な相関を示し、早産およびIUGRともに毛細血管減少および多血に関わると考えられた。周産期合併症では慢性肺疾患と多血に有意な相関を認め、出生後の酸素使用または低酸素血症が関わると考えられた。 患者解析の結果を踏まえ、マウスにおける周産期環境と血管の関係を調べた。妊娠マウスの低酸素負荷では仔マウスの脳および腎臓の血管に変化は認められず、妊娠後期の胎児低酸素が腎発生に与える影響は少ないと考えられた。生後の高酸素負荷を行ったところ、発生段階における血管内皮増殖因子の発現量低下、脳および尿細管周囲の毛細血管減少を認めた。妊娠マウスの低栄養負荷でも血管内皮増殖因子の発現量低下および尿細管周囲毛細血管の減少を認めた。 以上、早産低出生体重の患者では33.3%の頻度で多血を認めることが判明した。生後の高濃度酸素暴露、胎児期の低栄養が発生後期の血管新生を阻害することで腎酸素濃度を低下させ、腎障害の進行に伴い多血を引き起こすと考えた。
|
Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(3 results)