2015 Fiscal Year Annual Research Report
有機カチオン系トランスポーターを考慮した乳汁への精神科系薬物移行と新生児への影響
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15H06625
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
伊藤 直樹 帝京大学, 医学部, 講師 (20529177)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | トランスポーター / 薬物濃度 / 薬物動態 / 乳汁 / 新生児 |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床における濃度測定に関しては、臨床現場における児の血液サンプル採取を順次進めている。ヒト母乳に関しては、時間的制約があるが、可能な限り進めている。 マウス実験系に関しては、平成28年度に繰り越しを行い、OCT1/2ダブルノックアウトマウスを搬入した。搬入後繁殖を継続中であるが、まだ引数などで十分ではなく、動物実験は終えていない。再度繰り越した平成29年度に、同実験を予定している。なおサンプルの薬物濃度測定系に関しては、高速液体クロマトグラフィー質量分析装置での測定方法がすでに確立している。 関連する学会発表としては、2015年の第42回小児臨床薬理学会において、「 ヒト乳腺薬物輸送におけるトランスポーター寄与に関する網羅的検討」と題して発表した。同演題はプレナリーセッション(優秀演題)として採択された。また2016年の第43回小児臨床薬理学会において、「トランスポーターの寄与を考慮したヒトでの薬物乳汁移行の予測」と題して発表した。同演題はプレナリーセッション(優秀演題)として採択された。さらに同学会雑誌において、「ヒト乳腺薬物輸送におけるトランスポーター寄与に関する網羅的検討」の原著論文を投稿し採択された。さらに、 2015年10月には、第12回日本周産期メンタルヘルス学会学術集会,において、「向精神薬の乳汁移行と母乳育児支援」と題して教育講演を行った。 平成27年度分の予算(平成28年度に繰り越しすみ)は、こうしたマウス購入や維持、実験資材の購入において使用した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床における濃度測定に関しては、児の血液サンプルは複数名分がレボメプロマジン(ヒルナミン)、ジアゼパム(セルシン)、フルニトラゼパム(サイレース)、ゾルピデム(マイスリー)に関して血液サンプルを採取している。測定はこれからである。モルヒネは当該期間にモルヒネ使用授乳婦はいなかったため、検体採取は出来ていない。 搾乳実験に使用するOct1/2ダブルノックアウトマウスについて、国内当該研究所からの搬入が困難であることが想定外にも判明した。他に当該マウスを繁殖できる国内研究機関がないため、米国業者より繁殖する国内研究機関があり、米国業者より新規購入する必要があり、研究に遅延が生じた。平成28年1月までに搬入し、3月までに繁殖予定であったが、予定よりも7か月遅れの平成28年10月に搬入繁殖となった。その後繁殖を継続中しているが、実験に必要な条件を満たした引数がまだ確保されていない。 測定系に関しては、高速液体クロマトグラフィー質量分析装置での測定方法がモルヒネなど複数の薬物に関して測定系を確立している。
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Strategy for Future Research Activity |
可能な限り効率よくマウス繁殖を進め、遅れている動物実験を早急に実施する。また臨床サンプル濃度測定に関しては、可能な限り数多くサンプルを集め、測定を終了する。こうして得た結果を該当の学会で発表したい。
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Research Products
(7 results)