2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15H06632
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
西 健喜 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (70759472)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | DNA多型 / STR / X染色体 / Population date / DNA型鑑定 |
Outline of Annual Research Achievements |
X染色体上に存在しているSTR locus(X-STR)を用いた人種統計データの報告や個人識別への応用方法などは多数報告されているが、それらの研究のベースとなる新しいX-STRの報告は殆どなされていない。本研究にでは個人識別に適応可能である新たなX-STRの検出及び、その多型性と内部構造の解析を行うことで法医学領域における個人識別の適応範囲を拡大することを目的としている。 USCG Genome BrowserおよびNCBI map viewを用いて、X 染色体上に存在する4~5塩基のSTR locusの検索を行い、現在までにXq28およびXp22の両末端側の領域において複数個所の新しいSTR locusを検出している。コントロールDNAであるK562、9948、M2800及び日本人DNAを用いてSequence解析を行い、多型性を有することも確認済みである。 先に検出を行ったXq28領域における1か所のSTR locusについては内部構造及び塩基長による解析、統計学的手法による多型性・識別能の算出を終了している。Xq28領域で検出されたSTR locusはTGCCとTTCCの2つの反復領域が連なった構造をしており、統計学的データからも高い多型性と識別能を有する領域であることが確認された。また民族間でのPopulation dateの調査、TGCCとTTCCの反復数の組合せについての連鎖解析を行ったところ、民族間の違いを有する領域であることも確認された。これらの事からも上記STR locusはDNA型個人識別において有用な領域であるだけでなく、ヒト民族間における多型研究においても有用であると考えられる。 またXp22領域においては複数のSTR locusを検出しており、現在は特に71kb以内に近接して存在する4カ所のSTR locusについて解析を行っているところである。これらはTAAA、CTTT、TATC、GATAの4塩基の反復構造をとっており、Sequence解析結果においても比較的高い多型性を持つことが予測され、4つのLocusの連鎖解析を行うことで血縁関係の証明に有用なローカスとなることが考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
X染色体(Xp22、Xq28領域)上に存在する4~5塩基のSTR locusを複数個所検出しており、日本人DNA SampleおよびコントロールDNAを用いたSequence解析を行うことで多型性の有無は確認済みである。 Xq28領域におけるSTR locusについてはSequence解析、塩基長解析、統計データの算出、Accession numberの取得まで終了しており、現在はXp22領域における71kb以内に近接して存在する4カ所のSTR locusについてSequence及び塩基長解析を行っているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
Xp22領域における4つのSTR locusのSequence解析および塩基長解析を行った後、統計データの算出とAccession numberの取得を行う予定である。 現在までのSequence解析結果において、内部配列のSNPやIN/DEL多型が少ないと予測される領域については、先に塩基長解析を行い、現在までに検出されていない新しいAlleleを示したSampleについてSequence解析を行うことで効率的に研究推進が図れると考える。 また4つのLocusの塩基長解析についてはMultiplex PCRを用いた同時解析方法を開発することを考えており、これにより試薬・DNAの節約、高効率に研究が進められることが予測される。また方法を報告することにより他機関における上記4 LocusのPopulation Dateの収集が容易になると考えられる。
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Research Products
(1 results)