2015 Fiscal Year Annual Research Report
養護教諭が実感する「気になる子ども」のテキストマイニング手法による検討
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15H06655
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
鹿野 晶子 日本体育大学, 体育学部, 研究員 (10759690)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 養護教諭 / テキストマイニング / 子ども / 健康 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,養護教諭が実感する「気になる子ども」の特徴を明らかにし,子どもの健康課題の所在を解明することを目的としている.そのための具体的な研究課題は,(a)養護教諭による「気になる子ども」に関する自由記述の文章をテキストマイニング手法により分析すること,(b)(a)の分析結果を踏まえて,子どもの健康課題の所在を明らかにすることであり,平成27年度は(a)に着手した.分析資料は,2015年1~3月に実施された「子どものからだの調査2015」において,全国の小学校,中学校,高等学校に勤務する養護教諭(865名)から得られた自由記述の文章である.自由記述文は「最近の子どもの様子で気になることを自由にお書きください」との問いに対して,A4用紙1枚の範囲内に自由に記述してもらったものである.分析では,自由記述文章をテキスト化し,そのデータの形態素解析,分かち書き処理を行いつつ,データクリーニングを実施する.現状はこの段階にあり,特に,形態素解析,分かち書き処理とクリーニングについては,内容を確認しながら何度も交互に繰り返すことにより,データの精度を高めることに努めている.加えて,平成27年度には,「気になる子ども」に関する養護教諭の実感の特徴を明らかにすることにも努めた.この検討では,東京都S区の公立小学校に在籍する全ての管理職,教諭,養護教諭1,636名を対象に,2015年3月に実施された調査における結果を用いた.調査では,「気になる子ども」に関する35項目の事象について,実感で選択回答してもらった.検討の結果,養護教諭が「気になる子ども」に対して抱く実感は,教職歴に関係なく,管理職と酷似している様子を確認することができた.このような結果は,養護教諭の実感により「気になる子ども」の特徴を明らかにしようとする本研究の手法が有効であることを示唆していると考える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度に予定されていた研究課題は,養護教諭による「気になる子ども」に関する自由記述の文章をテキストマイニング手法により分析することであった.現段階では,文章のテキスト化,そのテキストデータのクリーニング作業に努めているが,テキストマイニング手法を用いる際には,テキストデータの精度を高めることが重要であるため,この段階を丁寧に進められているという点ではおおむね順調な進展といえる.ただ,この段階を脱していないため,その後の解析(係り先分析,クラスター解析等)にまで到達していない点からおおむね順調な進展であるともいえる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策については,当初の計画に大きな変更はない.すなわち,平成28年度は,養護教諭による「気になる子ども」に関する自由記述の文章をテキストマイニング手法により分析した結果を踏まえて,連携研究者の協力を得ながら子どもの健康課題の所在を明らかにする予定である.
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Research Products
(1 results)