2015 Fiscal Year Annual Research Report
法学研究者、現場教員と連携した法教育教材、法教育プログラムの作成プロジェクト
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15H06660
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
藤井 剛 明治大学, 文学部, 教授 (00757461)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 法教育 / キー・コンピテンシー / 学習指導要領 |
Outline of Annual Research Achievements |
次期学習指導要領の最大の眼目は、教科の枠を越えて学校教育の重点を「何を教えるか」から「何ができるようになるか」に大きく転換することだが、その根底には、経済協力開発機構(OECD)があげている「キー・コンピテンシー」の重視がある。「キー・コンピテンシー」には、「紛争を処理し、解決する」「自らの権利、利害、限界やニーズを表明する」能力等が取り上げられており、これらの能力等は、法教育でのみ育成可能なものである。しかし、現行の高等学校公民科学習指導要領などに「法教育」が明記されたが、「法教育教材」が圧倒的に足りないことが現状である。そのため現場の教員は、「法教育」を実践したくても、理論的で、現場に適した教材が手に入らず、このことが「法教育」普及に大きな障害となっている。このような現状などを背景として、本研究の目的は、中学・高校の生徒を対象とした「法教育教材」作成と、作成した教材を利用した法教育プログラムを開発することにある。そのために、1.法学研究者から研究代表者が、中学・高校生対象の「法教育教材に適した材料や話題の提供」を受け、その内容を教材化し、教材を法学研究者と共に検討・修正し教材を完成する、2.完成した「法教育教材」を中学・高校の現場教員(研究協力者)の勤務校で実践してもらい、アンケートで効果などを検証し、さらに改良を加えホームページなどで発表する、3.ホームページで公表した「法教育教材」を、各地の研究会などで実践してもらい、さらなる検証・修正を加える、4.検証した生徒の変容などを踏まえて、法教育のプログラム開発を行い公表する。5.完成した「法教育プログラム」などを学会で発表し、多面的・批判的に検討し、最終報告会などで積極的に発信することを実施するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の主な計画では、1.教科書に記載されている「法教育」の整理を行う、2.これまでの「法教育教材」の収集と分析を行う、3.法学研究者から「法教育教材に適した材料や話題の提供」を受け、教材作成を行う、4.実践校による授業実施とアンケートなどによる検証と教材の修正を行うことを予定していたが、すでに2回の学会発表を行うなど、ほぼ順調に進展している。ただし、実践校の授業実施が少数にとどまっていることが今後の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は、1.法教育フォーラムなどのホームページで法教育教材を発信する、2.検証結果を踏まえた法教育プログラムを開発する、3.学会報告、最終報告会を実施するなどが中心となるが、初年度に宿題となった、作成した法教育教材の実践・検証も重点的に行っていきたい。
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Research Products
(2 results)