2015 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀前半における日本人舞踊家の国際的公演活動と欧米諸国での受容
Project/Area Number |
15H06676
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
柳下 惠美 早稲田大学, 文学学術院, 助手 (10757256)
|
Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
|
Keywords | 川上貞奴 / 花子 / 伊藤道郎 / 日本人舞踊家 / イザドラ・ダンカン / パリ万博 / ハリウッドボウル / 国際文化交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度はこれまで申請者の研究対象であった20世紀前半に活躍したモダンダンスの創始者イザドラ・ダンカンと関わりがあった3人の日本人舞踊家、川上貞奴、伊藤道郎、花子の公演活動と文化交流に関する国内外の一次史料の収集に努め、調査研究を行った。 国内では主に当時の新聞記事等の収集、国外のポーランドではAkademia Teatralna、Biblioteka Narodowa、ワルシャワ大学図書館、Biblioteka Jagiellonska、Szkola Teatralna Biblioteka、イギリスでは大英図書館、ヴィクトリア&アルバート博物館、フランスでは国立図書館、ロダン美術館、アメリカでは公共図書館、カリフォルニア大学図書館、フィルハーモニック・アーカイヴなどの多くの調査・研究機関で川上貞奴、伊藤道郎、花子に関する一次史料の収集に努めた。 10月初旬には美学会の研究発表において、1900年パリ万博での川上貞奴の踊りがイザドラ・ダンカンにインスピレーションを与え、イザドラ独自の舞踊の確立に影響を与えていたことを検証した。また10月末にはポーランド(クラクフ)で開催されたPolish Institute of World Art Studies主催の国際会議East Asian Theatres:Tradition-Inspiration-European/Polish Contextにおいて、Sada Yacco and Hanako's Performances: Images of Exotic Japan in the West in the Early Twentieth Centuryと題する研究発表を行い、川上貞奴、花子が欧米の観客に披露したハラキリなどの日本のイメージの植え付けは興行を務めていたロイ・フラーの要請によるところが大きいことを指摘した。その後、ワルシャワ大学でThree Japanese Performers in the Early Twentieth Century: Sada Yacco, Hanako and Michio Itoのタイトルで、彼らの舞踊の特徴について講演した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ポーランド(ワルシャワ、クラクフ)、パリ、ロンドン、アメリカ(ニューヨーク、ロサンゼルス)の資料館、図書館で川上貞奴、花子、伊藤道郎に関する一次史料の閲覧収集を多くの調査・研究機関で行うことができた。 10月にポーランド(クラクフ)で開催されたPolish Institute of World Art Studies主催の国際会議で研究発表を行い、ワルシャワ大学では当該研究課題の対象である川上貞奴、花子、伊藤道郎についての講演を行った。これら国際会議への参加、ワルシャワ大学での講演から諸外国の研究者と交流を深め、意見交換することができた。国内では美学会での研究発表の他にシンポジウム「わざ継承の歴史と現在─身体・記譜・共同体」で招待講演を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年度同様、引き続き当該研究を遂行する。
|
Research Products
(7 results)