2015 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀初頭イギリスにおける地方政党政治史―地方ホイッグを中心に―
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15H06679
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
正木 慶介 早稲田大学, 文学学術院, 助手 (00757172)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 近代イギリス政治史 / 地方政党政治史 / ホイッグ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、19世紀初頭における地方ホイッグの政治運動の一端を解明することを目的としている。2015年度は本研究期間(2年間)の前半にあたる。 2015年度の研究実績としては以下の2点が挙げられる。第一に、リヴァプールのホイッグ系地方結社である「同心協会」(Concentric Society)に関する分析を日本国内外で行い、学術論文の形にまとめ『史観』(早稲田大学史学会刊)に投稿することができた。表題は「19世紀初頭イギリスにおける地方政治団体:リヴァプールの「同心協会」を中心に」とした。現在査読審査中である。 第二に、リヴァプールの都市政治について、市長選挙、公的集会、都市自治体の観点から分析を進めた。特に市長選挙については、イギリス革命史研究会の2016年度例会(3月25日;於明治学院大学)で「19世紀初頭ブリテンにおける議会政治と地方政治の連関:リヴァプール市長選挙(1815-1832)」という表題で口頭報告をすることができた。また、同じテーマについてだが力点と内容を変えて、日本西洋史学会第66回大会(5月22日;於慶應義塾大学)にて、「19世紀初頭イギリスにおける地方政党政治:リヴァプールにおける市長選挙を事例に」という表題で報告する予定である。報告者としてはすでに内定済みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の進捗状況が「やや遅れている」第一の理由は、博士論文の完成が予定よりも遅れてしまったことにある。これにより本研究を開始する時期が4ヶ月ほど後ろにずれてしまった。本研究者は当初2015年の8月末までに博士論文を完成させその後すぐ本研究に取り掛かるつもりであったが、博士論文の書き上げと修正作業に予想していたよりも時間がかかってしまった。博士論文を提出できたのは結局2015年の12月末のことであり、本研究の本格的な開始は翌年の1月からとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度は昨年度の遅れを取り戻すべく研究を進めていきたい。まずは、地方ホイッグの選挙政治の分析から取り掛かる。夏季休暇中を利用し渡英し、British Libraryなどで史料収集・分析を行う予定である。その後、地方ホイッグ系政治結社の政治運動に関する考察と、地方ホイッグ系出版印刷物から析出される政治理念の検討を進めたい。研究成果は国内外で積極的に発表していく。特に国際学会としては、British Society for Eighteenth-Century Studies (St. Hugh's College, Oxford)の第46回大会(2017年1月)に参加し口頭報告を行う予定である。
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Research Products
(2 results)