2015 Fiscal Year Annual Research Report
介護福祉施設におけるコーディネーターとしての看護師の役割構築へむけて
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15H06695
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Research Institution | Tokyo Junshin Women's College |
Principal Investigator |
小山 晶子 東京純心大学, 看護学部, 助教 (90756909)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 看護師の役割 / イギリスの看護師の役割 / フランスの看護師の役割 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は日本における看護師の介護施設内での役割モデルを構築するために、他国、とりわけ専門職連携の先進国であるイギリスと、看護師の役割が日本に近いフランスにおいて、どのような役割を看護職あるいは他職種が認識しているかを調査することで日本へのモデル提示としたい。その前段階として、平成27年度は文献整理と調査実施のための準備を行った。 文献整理は、イギリスおよびフランスの看護師の役割が明確にされているかを調査・整理した。イギリスは日本と同様に看護師の業務内容・役割について詳細には明記されておらず、法律よりも看護・助産審議会(Nursing and Midwifery Council:NMC)が教育について担っており、業務内容・役割についてもその中で詳細な業務内容を記載していない。フランスは、法律において看護師の業務内容・役割の詳細が明記されている。 イギリス・フランスにおける調査実施については、平成27年10月より調査対象者の協力を得るための介護施設の選定と調整をし、平成28年3月に選定した複数施設へ調査協力を得る説明のために事前訪問をした。それにより調査対象者である看護師50名、介護福祉士50名、マネジャー職8名の協力を得られる(平成28年3月31日時点)こととなった。調査実施は平成28年8月の予定である。 また、フランスにおいても同様の調査のために事前訪問が必要であったが、平成27年11月13日にパリ同時多発テロが発生し、渡航自粛およびフランス国内で非常事態宣言がなされ、調査の協力を得る状況ではなくなった。事前訪問には国内情勢と半年前からのアポイントメントが必要であり、テロ発生から2ヶ月後の平成28年1月に状況を確認したが、渡航自粛は解除されたものの、フランス国内は未だ犯人が捕まっておらず不安定な状況であったため、平成27年度の事前訪問は実施しないこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定した通りの進捗であるが、フランスの事前訪問については、平成27年11月13日にパリ同時多発テロが発生し、渡航自粛およびフランス国内で非常事態宣言がなされ、調査の協力を得る状況ではなくなった。事前訪問には国内情勢と半年前からのアポイントメントが必要であり、テロ発生から2ヶ月後の平成28年1月に状況を確認したが、渡航自粛は解除されたものの、フランス国内は未だ犯人が捕まっておらず不安定な状況であったため、平成27年度の事前訪問は実施しないこととした。平成28年8月のイギリスにおける調査時にフランスへの事前訪問が可能であれば実施し、不可能であれば申請者は前研究でフランスの介護施設での調査を実施しているため、事前訪問をせず平成28度内に調査協力を得られる可能性もあるため、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度はイギリスでの調査を実施し、可能であればフランスでの調査を実施する。調査対象については、看護師・介護福祉士・マネジャー職といった、施設単位ではなく職種単位に実施することで、よりその国での役割がどういったものかを公平に判断できると考えるため、施設にとらわれずにその職種の個人への調査に変更することとした。 また、その結果をとりまとめ、本研究の目的である介護福祉施設内での看護師のコーディネーターとしての役割を提示する。
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