2015 Fiscal Year Annual Research Report
盲導犬による視覚障がい者の身体活動量増進と身体・精神的健康の向上
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15H06706
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
山本 真理子 帝京科学大学, 生命環境学部, 助教 (40758744)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 盲導犬 / 視覚障がい者 / 活動量 / 歩行 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の全体構想は、身体活動面における視覚障がい者の福祉向上にむけて、盲導犬が果たす役割を調査することである。特に、盲導犬使用と身体活動量の多さの因果関係を明らかにすることを主目的とする。また、盲導犬の二次的効果(精神的サポート)が身体活動増進に寄与しているのかを明らかにすることを第二の目的とした。 この目的のために、新規に盲導犬を貸与される視覚障がい者と盲導犬を希望していない視覚障がい者の身体活動量を盲導犬導入前から導入1年後、もしくは調査開始から1年にわたって継時的に測定し、両群の運動量の変化を比較することとした。合わせて精神・身体的健康度、ソーシャルサポートの評価も行った。 初年度は協力の得られた対象者より順次データ収集を行った。現時点で、盲導犬を希望しない視覚障がい者15名、および盲導犬ユーザー2名より第1回目のデータを収集した。両群のデータ数がそろっていないため、統計解析はまだ行っていない。本研究は視覚障がいを持つ対象者に活動量計を送付し、装着、返信をお願いしているが、データ収集上の問題はなく、計画通りのデータ収集が可能であることが確かめられた。二年度目も引き続き新規協力者からのデータ収集と、継続測定を行う予定である。 病気の一次予防のために身体活動は重要な因子であるが、視覚障がい者の運動不足は顕著であるといわれている。視覚障がい者の運動不足は、障がいにより生じる自由度の制限だけでなく、歩道の未整備や社会の障がい者に対する偏見など、障がいにより二次的に生じる外出の困難さによっても同時にもたらされる。盲導犬はこのような問題の解決に寄与することで、視覚障がい者の身体活動を増進させる可能性がある。本研究は、その盲導犬の効果について客観的に調査するものであり、視覚障がい者の福祉的観点から意義のあるものと考える。引き続きデータを収集し、両群の比較から得られる結果が望まれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画時は、対照群として盲導犬の貸与まで待機している視覚障がい者を対象に盲導犬導入前1年間の身体活動量を測定する予定であった。しかし、盲導犬待機時は、盲導犬の貸与が確定したわけではなく、その状態で盲導犬に関する調査に参加することは、盲導犬の貸与への期待を過度に高めてしまう可能性があると協力団体より指摘されたため、本研究ではこの対照群を調査から除外した。 現時点で盲導犬を希望していない視覚障がい者からは順調にデータを収集することができている。一方で、新規に盲導犬を貸与される視覚障がい者は、盲導犬の育成頭数が全国的に少ないこともあり、当初の計画よりもサンプル数が不足している。二年度目に引き続き協力者を募集していくこととする。
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Strategy for Future Research Activity |
データ収集の方法については問題なく遂行しており、引き続き同じ方法で継続のデータを収集していく予定である。研究の推進において課題となっている点は必要サンプル数の確保である。盲導犬を希望しない視覚障がい者からのデータ収集は予定通り行えることを見込んでいるが、新規に盲導犬を希望する視覚障がい者の確保に特に力を入れる必要がある。これまで全国の盲導犬育成団体を通して協力者を募っていた。今後は、盲導犬使用者の会にもアプローチすることで、研究協力者を広く募ることを検討している。
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Research Products
(1 results)